遊戯王

ピュアリィ2023.10

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YACS群馬を終え、28日に新弾がリリースされピュアリィの立ち位置がこれまで通りと行かなくなる可能性が高いため、現在のカードプールにおけるこのデッキについての思考などについてまとめていきたいと思います。

 

毎週調整やアドバイスをしてくださった方々、チームを組んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。

実際対面での調整は勿論、プレイできない時間帯に関してもツイッターのスペース機能などで議論を行うことが出来、有効な時間の使い方をすることが叶ったかと思います。

 

プレイに関しての基礎的・発展的内容はだー (@kigremo) / Xさんのブログを参考にしていただければと思います。

 

今回は自分自身の調整録、思考のプロセスについての内容が多くなっています。

 

 

例によって、リミットレギュレーション施行に伴う環境の変化から分析していきたいと思います。

 

1.制限改定とデッキとして受ける影響

 

アギトケルベクカオスルーラー禁止ティアクシャ制限

シンクロ軸にリペアされたティアラメンツの主軸となっていたカオスルーラー、及びそれらの抽選を受けるカードから更なる出力を臨めるアギトケルベクの3枚が禁止カードになり、尚且つシンプルな抽選を受けれるレベル7非チューナーであり、後ろ倒しのゲームプランでも活躍が見込めるティアラメンツクシャトリラも制限カードに指定され、今までの軸は勿論、純粋にギミックに寄せた構築もそもそも採用できるテーマカードの母数が少ないため、少なくとも既存の方向性でのティアラメンツというデッキは崩壊した、と言って差し支えない改定になったと言えるでしょう。

 

エアホイスター準制限

レスキューの初動札が減りました。関東で主流のアウローラドンを採用した構築においては、タービュランスの着地とシンクロモンスターの展開の双方を達成できるカードでありますが、これを1枚失っただけとも取れるためデッキとしての根幹は守られていると言えます。

 

デリシャスメモリー準制限

後述

 


 

実際この改定を踏まえた上でもピュアリィは入賞報告が続いております。

これはスリーピィが制限になった時と同様、ピュアリィのデッキパワー、即ちこのデッキの持つそもそもの安定性、対応力があまりにも高く、それが弱体化をされたところで周辺のデッキが手放しに追いつけるほどではない、という背景に基づくものでしょう。

とはいえ前回同様間違いなく弱体化はされているので、ここについて詳しく触れていきます。

 

スリーピィの時にも言いましたが、メモリー速攻魔法はこのデッキにおいて「初動」「後続」「攻め手」(時に妨害や防御の術としての機能)の全てを担っています。

ターン1制限でない部分でもこのカード達は最大枚数採用するのが定石であり、その総数が減ることによる影響は、「初手で引く確率」「ドローソースからの受け」「ピュアリィのめくりのヒット率」の全てを下げるのはもちろん、今主流の構築だと「強貪のコストのリスクが大きくなる」という部分もあります。

これはいずれのメモリーも同様に考えられる事象ですが、今回減らされたデリシャスメモリーについては更に別の要素もあります。

今まで自分が対面問わず選んでいた基本の先攻盤面「リィープ+プランプ」。

こちらはミラー等でメイン戦から飛んでくる三戦の際に対し、素材数の多いノアールを構え突破の要求値を上げる、展開対面に置いても往復でプランプの素材吸収を使いリィープから繰り出したノアールの素材数=妨害数を増やす、という目的のもとこのプレイを選択していましたが、当然ですがこれはマイフレンドのサーチをデリシャス確定に出来る点に基づいたものでした。

以前から強貪のコストなどで確定サーチでない機会こそあったものの、制限改定の影響でゲームが始まった段階から2枚でのスタート、これは間違い無く大きいものと言えます。

また、相手の攻撃表示モンスターを殴り続けそのままライフを0にするハッピー+デリシャスのワンキルの成立率に関しても、そもそも素引きの確率であるとか、デリシャスが欠損した際のサーチにブレが生じることで以前よりやや要求値が上がったといえます。

 

ということで確実に弱くなってはいるピュアリィですが、とはいえ回りも弱体化をされている、或いは特段強化されたわけではないと言った都合からデッキとして破綻したとまではいかず、実際自分もピュアリィの安定性・対応力・自由枠(あまりこれをデッキ選択理由にはしたくありませんが、これらに加えて「慣れ」)自体はそこまで損なわれてはいないどころか、他のデッキと比べるとそれでも群を抜いている状況にあると考え、今期も続投を選んでいます。

 

 

2.仮想敵

ミラー・レスキュー・ティアラメンツ・ラビュリンス

前期初頭はこれら4つのデッキを中心とする、正確には前者3つのデッキに対してラビュリンスがプランをどこまで嵌めるか、と言ったメタゲームを想定していました。

そしてこのアーキタイプの分布自体は、ティアラメンツを除いて今期も継続しています。

この予想が全く的外れというわけではありませんが、これには見落としていた2つのデッキタイプが存在しており、それが今もなお活躍しています。

 

まずは神碑

前期の改訂で泉が制限になり大きく弱体化、それに伴いメタを寄せる必要は無かったと判断していました。

そんな中、サイドカードでの対策が疎かになるメタゲーム的な背景や、ティフォンの登場によって少なからず強化をされていると言った要素で、結果的に先に挙げた上位4デッキに並ぶ、週によってはそれらを抑えトップに君臨するレベルのポジションを獲得していた時期もありました。

この神碑の評価を大きく見誤った点については間違いなく前期の最も反省する部分でした。

ピュアリィにとってはメインに積まれた多種多様な永続のみならず、後攻から繰り出される天岩戸、無類のETの逃げ切り性能など、無理試合を押し付けてくる相手に思えましたが(そう言った背景でメタを切った部分もある)、結論としては「ピュアリィvs神碑」というマッチアップこそ調整を欠いてはいけず、その知識量が如実に勝率に現れる対面であるという結論に至りました(これについては後述)。

 

そしてもう一方はそんな神碑の盤石だったメタデッキとしての立ち位置を揺るがし、手札誘発達の評価を一変させたデッキ

覇王魔術師です。

従来の展開系の延長、といいたいところですが、ペンデュラムという性質上こちらの質の低い誘発では相手の物量で貫通されてしまうといった今まで通りの強みはもちろん、新規覇王ギミックとペンデュラムサポートのリンクモンスター達によって少ない枚数からでもそのペンデュラム側の強みを発揮できるようになったため、手札誘発や後手札にスロットを割いてもスケール事故などで負けることが少なくなりました。

また、神碑の永続等に対しては虹彩の魔術師の緩和によってアクセスが容易になった時空のペンデュラムグラフが強力であったり、バグースカという展開の妥協点が環境的にかなり優秀であったり、リンク数4へに到達がかなり容易になっている点から、P召喚前のアポロウーサの成立や後手ではアクセスコードで盤面を一掃するのもかなり楽になっており、従来の強みをそのままにデッキとしての地力が底上げされた強化となっています。

 

以上を踏まえ、今期は

ミラー、レスキュー、ラビュ、神碑、魔術

の5デッキを主な仮想敵として、それに次いで炎王や御巫といった罪宝や天底の使徒と言ったギミックを取り入れたデッキ、サイバース系統やセンチュリオン、アダマシアといった展開系によって構成される環境であると考えました。

 

3.構築の変遷

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構築のベースはこれで考え始めました。

今回紹介する構築はいずれも

今回で言うメインデッキ「ヴェーラー2枚目以降」「三戦の才」エクストラ「プランプ2枚目」「エクスハピネス」の枠を自由枠として考え作っています。

最初の構築は前期の最終的ベースとなった構築からデリシャスが減らされた分を三戦にし、ティフォンはティアラメンツが消えたことで明確な仮想敵がいなくなったという考えの元作成したものとなっています。

まずは自由枠確定枠についてのお話ですが、

前期同様初動の減少からリリィ三枚目までを確定枠とし、メイン戦対面不明の場合に先攻でのストリートリィープの素引きやフレンドからの確定が評価できる、後手でもピュアリィでメモリーのコストを確保できる機会が多くなる点等でそれらも最大枚数採用。

「金満で謙虚な壺」について。個人的にこのデッキにおけるこのカードは確定枠と言っていいか疑問が生じるものでした。初手でゲーム展開が見えにくいデッキである以上、先攻での無闇な6枚除外が進行に支障を来す可能性があり、3枚除外ではその真価を発揮できないことが多いという点で外した構築も検討していました。

結果的にこの思考は練度を欠いた故に生じてしまったものであり、結論から言うとこのカードは必須と見て間違い無いです。

単純に初動としての期待値が高いのはもちろんですが、このカードは後攻時やサイド後の先攻時にその本質を見せます。

まずは後攻時、「相手視点でこのカードを通す事の脅威」。

特にミラーマッチ、神碑、ラビュ対面においての話なのですが、このカードは場合によってリブートにも抹殺にもうららにもわらしにもなり得ます。勿論向こうの手次第で判断は揺れますが、リィープもGも各種永続もウェルカム罠も開くか一考せねばなりません。仮に開いた場合、こちらはこのカードを発動した一手のみで相手の情報を開示させつつ、それに基づいてサーチするカードを検討することができます。

そしてサイド後の先攻時、永続プランを取っている際、展開札を合わせて引くこのカードは誘発チェックしつつ永続を探しに行ける一枚となっています。

強貪の3枚目的な役割のカードと思いきや、上記の状況においては無作為な2ドローを超える期待値を持つ公開1枚ドローのカードとなっています。

 

姫芽宮について。個人的に今の誘発だらけの構築だと基本的に捲る効果には期待できません。サイド後で永続を探すなどと言った使い道は検討できますが、現在のメモリーの総数だと積極的に使う効果では無いと言えます。

ですがこのカードはテキストでは無い部分のステータスが非常に優れています。1800の光属性、これが多くの利点を有しています。

・リトルナイトやアリアンナ(魔力吸収石下等)を上から叩ける

・御前試合下でピュアリィやヴェーラーを駆使し光属性のみでアーゼウスへ迎える

これらの点、これに付属する形で捲る効果まで付いているのですから、ステータスが生きる環境であれば採用圏内のカードとなります。

 

そしてエクスハピネスですが、デリシャスによる打点補助が今までよりしにくくなり、ノアール単体を中心としたゲームでライフを取るスピードが落ちている点から採用しました。YACSのETルールや神碑やラビュリンスなどの時間をかけてノアールを解決してくる可能性のあるデッキに対しては1ターンでゲームを終わらせることが出来る点が優秀であり、前期よりは採用する理由が増えているのかと思います。

 

プランプ2枚目は空いた枠として仮で採用していますが、デリシャスが減っている都合で以前より先攻で出せる確率は落ちており、リィープの回収まで踏まえるとこの枠は完全に補助輪、即ちプレイで開けれる枠との結論に至り、以降の構築では外しています。

 

サイドはミラーは先攻永続、後手は三戦に委ねる形になっていますが、やや先攻側の同じく永続プランを取ってくる相手に苦戦を強いられるかと思います。

ドロールは魔術師先攻に対してのニビルが1枚で機能する誘発としてどうしても評価できず採用していますが、ミラーにおいては採用しません。ドロールは性質上先攻側に消耗させずにターンのみをもらう誘発になりますので、後攻側が蓋を綺麗に出来る場合でない限り微妙、という意見に落ち着きました。

では肝心の永続について

 

・サモンリミッター

先攻を取る方針を取るのであれば間違い無く最強の永続です。

ノアールとセットで開いた場合、通ればそのままフィニッシュと言って差し支えない拘束力があり、ピュアリィは盤面さえ整えば2回の制限下でエクシーズの成立が可能、最悪プリティメモリーで解除できる等、単純な先攻汎用札の強みがデッキに噛み合っています。

 

・醒めない悪夢

神碑のメタ枠として採用しています。他の同じ役割のカードと比較してみます。

コズミックサイクロンは1枚で対処できるカードが少なすぎる、泉を消せばドローの循環には対処できるものの、永続複数枚によってこちらの動きが拘束された場合、ターンの経過を許してしまえば実質的に泉の分のドローも許してしまっている状態になります。

拮抗勝負は中途半端にカードを残され場合の後引きが機能しないのにも関わらず、本命一枚を残され、それの対処に消耗を強いられる点で、通ったリターンはそれなりに大きいもののやや評価が落ちます。

そこでこちらの醒めない悪夢、永続やフィールド魔法全てに対応しつついつ引いても機能します。こちらとしてはこのカードを引くまで耐久する、というプランを取れるようになります。

破壊の神碑で妨害される弱みはありますが、このデッキであればハッピーメモリーの耐性付与で一度回避することが出来るので、そこまで気にならないでしょう。

とはいえこのカードはライフを払うカードですので、「神碑に対しては高速でプレイする」という方針を決定付けました。例えば永続で積んでしまったメイン戦では不用意に時間を消費せずに目が薄ければサレンダーを選択します。

 

このカードは神碑を想定して採用したカードで間違いないものの、他にもミラーのフレンドストリート、魔術師のスケール、センチュリオンの罠モンスター等巻き添えで他のデッキに対してもメタを貼れる、ミラーではノアール2素材分の仕事を発揮できることから先攻盤面をかなり強固なものにできるし、他二つのデッキに対しては通ればほぼ勝ちます。魔術師は性質上サモンリミッターに対してかなり強く出れるデッキですので、こちらに軍配が上がります。

 

 

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そんな永続プランはミラーがとある方針に移るにつれ評価がブレ始めました。

拮抗勝負、盤面に妨害を集中させるプランを取る以上、間違いなく直撃してしまいます。

デリシャスが減って尚のことリィープから出るノアールがデフォルトになっている以上、最初に出したノアールで決着まで至ることは稀であり、盤面のフレンドに後続を依存している場合、拮抗勝負でゲームプランが崩壊してしまいこともしばしば。

永続の決定力は間違いないものの、「通れば」という言葉を繰り返した通りこのようなカードの流行でプラン自体が怪しくなっていきます。

バトルの損失やサイド後は拮抗を考慮しスタンバイにプランプもビューティも無条件でリィープで変身させドローを見に行くような受けを改善する択を取られる都合上、ケアを優先されると本来の機能が発揮しにくい点や、主流のプランが永続札、言い換えれば「通れば1ターンで圧殺できるカード」から次元障壁、三戦の才といった「ターンの渡し合いを前提としたカード」に遷移することで、後引きの弱さやバトルができない事に起因する打つターンの動きの隙が弱みとして現れてしまいます。

実際、ミラーマッチにおける拮抗・永続・三戦の三要素は永遠に循環し続ける結果となりました。

羽箒は永続の解答になるカード、かつラビュリンスのダルマカルマを払ってから動ける、相手のプレイ次第ですが障壁へアクセスできないウェルカム罠の開かせ方を強いる、各種罠を開かせてからリトルナイトでの盤面処理に注力できる、レスキューにバトルを残した状態で妨害を剥がせる、といった「拮抗の弱みを是正した割り札」となっています。

 

ヴェーラーの誘発としての評価が特にラビュリンスの増加でやや落ち、リブートと三戦になっています。

とはいえこの構築は「先攻時スリーピィでドローする際の妨害期待値の低さ」「相手のGツッパに対する対応力の低下」といった問題点があり、後述するティフォンの存在もあってヴェーラーは2枚以上の採用をしたいと考えるようになります。

キキナガシ風鳥は理論カードに見える一方、ダルマカルマの登場に伴い無理矢理ラビュリンスの罠をアーゼウスで超えてからギミックを回す展開が想定されたものの、実際そのようなケースはあまり見られず、ミラーに関してもノアールを攻撃表示で出すのが当たり前になってしまったためあまり意義を感じなくなってしまいました。

ティフォンは先述の通りティアラメンツがいない以上使う機会が見込めないと考えていましたが、ミラーがターンを経過する中で、リソースを抱えつつアーゼウスを返したい機会があったり、レスキューのシンクロ展開のみの盤面に対して、有効な場面がそれなりにあり、結局採用する方向になりました。

 

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今期の一旦の目標であったYACS群馬に持ち込んだ最終的な構築です。

天使の涙はETのルールを見て号からアクセスできるカードとして採用しました。

先ほどのメインリブート1枚をヴェーラーにしています。

永続としては高評価だったサモンリミッターが外れています。これは三戦の号によってミラーマッチ等の際先後関係ないサイドチェンジを可能にし、ミラーやシンクロ無しのレスキューの対面においても選択権がある際は後攻を選択する方向に転換したためとなります。

その為こちらが先攻を積極的に取る対面、例えば神碑や魔術師は悪夢で事足りますし、ラビュリンスはそもそも永続が効きにくい、シンクロありのレスキューにはやや弱いサイドになってしまうものの、ニビルを増やす事でスリーピィのドローで妨害を引き込む期待値を底上げし、とにかく流行していた拮抗勝負に対し強いプランを取りました。

ドロールは魔術師が減少傾向にあったのと、何度も言う通り先攻時は悪夢やシンプルなノアールの妨害で対応できる事がある程度見込めた為、今まで程寄せる必要は無いと結論付けました。

結果は3-1のオポ落ちとなってしまいました。実際負け試合に関しては幻影ホルスでドロバもリミッターも有効な対面ですので、そう言った雑多デッキに対する意識をするべきだった可能性は拭えません。

 

4.プレイの方針

先ほど言った通り、今期は耐性付きノアールを成立させることが今まで以上に難しくなっています。

そのため今期は4素材ノアール+2ドローであるとか4素材ノアール+ビューティによる無効+1ドローが基本的な妨害の作り方となります。

素材数の多い耐性持ちノアールを先攻で押し付けそのまま勝利すると言ったゲームプランは稀です。

自分の先攻での考え方としては

ノアールで最低限の妨害を構え、相手にそれを突破するリソースの消耗を要求し、ストリートとフレンドを守り切る

つまり先攻1ターン目の盤面はいわば囮で、2ターン目に相手の盤面をプリティでの吸収できる、ハピネスによる確定サーチが見込める、といった選択肢が増える状態でより強固な盤面を形成します。この2ターン目に成立した完全体ノアールを先攻時に作ったノアールやフレンド等を触るのに摩耗した相手に押し付ける、これが理想の展開です。(このプランに頼るようになった結果、メインのヴェーラー1以上は確定なのでは無いかという考えに至っています)

理想という言葉を使いましたが、現環境において仮想敵としてピュアリィが挙がる以上、ここまで綺麗な進行に毎度なるとは言い難いです。

その為先ほど言った通り、妨害を捨ててでも拮抗ケアでドローを見に行く(フレンドを後続として判断しない)だったり、そもそも同速の相手にはサイチェンを踏まえ後攻を選択し1ターン目からバトルフェイズや盤面吸収の選択を取りやすい状態、かつ相手が後手札を入れているのであればそれらを死に札にした好条件でスタートするという方針をとってしまいます。

これを踏まえて、各対面についての意識などについて

 

レスキュー

アウローラドンを採用しているレスキューについて。こちらが先攻の際の妨害の当て方自体は型でそこまで変わったりしないものの、こちらは後手選択をしてしまった場合ストリートで妨害を完封するプランを取れない場合がある一方、レスキューギミックで最も簡単にノアールを対処できるインパルスの採用が抑えられている場合が多いので、先攻でノアールによる妨害を目指します。

逆にメイン戦からインパルス、ファイアアタッカー、ファイアエンジンと言ったシンクロ型では採用しにくいカードが見えた場合、拮抗勝負やファイアアタッカーで手札を整えつつノアールを超える算段を構えられてしまうよりかは寧ろ後攻で後手札や誘発で捲るサイドプランも勝率が見込めます。

 

ラビュリンス

アリアス、ダルマカルマ、ティフォン等でかなりの強化を受けており、リソースゲームでピュアリィに真っ向から勝負を仕掛けるデッキです。

基本的に同じハンドの質で順当にゲーム展開をした場合残念ながらピュアリィ側が負けます。こちらの主軸となるゲームプランであるノアールの成立が他のデッキに比べてそこまで脅威で無いというのが理由です。

その為こちらとしては一方的な試合を押し付けるのを基本としていきたいため、わらし等で対策するのが必須となっています。

ノアールの耐性がそこまで信頼できる対面では無いため、こちらとしてはあまり長引いたゲームをせずに、誘発でギミックを完全に遮断するなり、ノアールの耐性が無くなるのを気にせずにバックを容赦なく剥がしていければ先の一方的な展開の実現に繋がります。

 

魔術師

これに関しては単純に妨害数を重ねていくしかありません。

ピュアリィ側はスケールに触る手段に恵まれており、先攻時のノアールが重く刺さってくれる場合が多く、後手のアーゼウスも蓋として優秀です。

ただし妥協展開のバグースカや、そもそも手が揃った場合における誘発貫通力に長けているデッキであるため、覇王ギミックを遮断する為や、エクシードによるP前ウーサを阻止しニビルを通すためにわらしまで入れます。

時空だけであれば突破は容易い為、分布によっては冥王結界波まで入れることも検討すべきですが、ラビュリンスの増加などの背景で減少傾向にあるので環境終盤ではドロバすら外しています。

 

神碑

前期あまりにもこのデッキに対して負けが混んでしまい、重点的に調整した対面です。

前提として、神碑側が全部持ち(岩戸ディレイ永続永続強貪穂先速攻みたいな)の場合は無理試合が発生します。

しかしながら、そういった試合に気を取られ、「無理なマッチアップ」として研究を放棄してしまうと本来最善手を打てば拾える試合も拾えなくなってしまう、という当たり前の事実をこのデッキと壁打ちするに当たり再認識することができました。

まず当たり前ですが、永続による完封負けは構築以外でどうしようもない場合が多いので対策札にサイドを割きます。先ほど述べた通り、数あるカードの中で醒めない悪夢が最も有力でした。

そして先攻盤面、デリシャスが減った後に言うのもなんですが、基本素出しノアールの成立を狙います。理由としてはリィープに合わせられる輝く炎でリソース回収に至ったとしても、永続で回収した攻め手の全てが無意味になってしまう場合があるため、一見リィープでドローを見に行きたいところですが、ノアールによる確実な永続への対処を優先します。

この対面で重要なのがハッピーメモリーの破壊耐性付与。

ノアールの正規召喚が見込める場合、この成立したノアールの素材を増やし続けてそのまま永続を触り切り勝利を目指すため、ハッピーメモリーで守るのはフレンド(後続確保)ではなく、ストレイピュアリィストリートを破壊の神碑から守り既にいるノアールを育成すべきという結論に至りました。これによってノアールにプリティメモリーを供給し、永続を剥がしながら素材を増やし耐性を延長してゲームを進めていきます。

また、リィープによってしかノアールを出せない、ただしハッピーメモリーは必ずしも展開に絡める必要がない、といった場合はエクシーズモンスターを輝く炎の神碑から守るために使います。これで永続に対して最低限の解答を用意しつつ、場合によってはスリーピィのドローで更なる解答を探しに行きます。

以上がギミックや誘発のみの場合の構え方、サイド後、醒めない悪夢を引いてる場合ゲームプランが一変します。ハッピーメモリーで守る対象は悪夢となります。破壊の神碑で対処できない悪夢は永続での攻略に勝ち筋を持っている相手に取っては文字通り醒めない悪夢です。

神碑側としてはこのカードへの対処としてディレイやバグースカでターンを稼ぎつつ、制約が切れたらバトルを利用しライフを詰める、醒めない悪夢の発動回数を制限してから永続プランを通すという一応の解答が調整段階で見つかったため、プリティの回復で悪夢の発動を保証するというのも意識すべきでした。

 

ミラー

先ほど言った通りメタの流行が移り変わったり、人によって違ったりで特定のメタカードを意識したプレイに寄せると他方のメタによって沈む可能性があるので、情報の整理を試合ごとに行うことが重要です。

ヒントとなる一個の要素として「時間配分」があります。号まで入れて才複数枚搭載=三戦寄せの選択権で後攻を取るプランが最もETに強く、永続で先攻を取るプラン、相手の先攻に拮抗を合わせるプランはいずれも三戦に比べるとETにおける優位性がやや落ちます。つまり、後者2つのプランを取っている場合、やや早めに畳んでくる可能性が高いです。この不確定要素のみで判断をしてしまうのはリスクが伴いますが判断材料としては有効です。

基本的に無効系誘発が3〜7枚ほど入っているので極力ストリート下でリリィをプレイしたいというのが思考の基盤になりますが、例えば無効系誘発+増殖するGという持ち方をしている場合、フレンドでストリートを加えた処理後にGを打つ事で、2ドロー保証か無効系の直撃を強いる事が出来るというのも覚えておいて損は無いかと思います。

この対面において意識すべきは目先の盤面を通して勝ち切るのに意識しない事。そもそも今期のピュアリィはある程度返される事を念頭に置いて進行すべきところですが、ミラーマッチは特に顕著です。だからこそティフォンまで採用してグダるゲームを構築段階で見据えています。

尚且つ相手視点フレンドは確実に触りたい後続であり、先に動いたプレイヤーの特権そのものであるため何がなんでも触ってきます。つまり対面問わず共通したゲームプランである「フレンドを守り切る」は勿論、そもそも手に後続を抱えておく事もまた意識すべき要点です。今期は制限改訂でプランプリィープが確定で行けなくなってしまっているというのもそうですが、このような点や拮抗ケアの観点からスタンバイで2ドローしに行く機会が以前より増えています。判断材料としては既存の盤面が更地になった場合にゲームを継続できるかどうか。

ある程度列挙しましたが、ミラーについては状況次第という要素があまりにも多く、ここで特定のプレイや方針を正解として決定付けるのはかなり難しいです。そういった柔軟性こそがピュアリィの強みの一端であり、奥深さを担っていますので、やるべき事はあらゆるプランに対する対応策を身につけ、都度それぞれに応じたプレイが出来るよう経験則を蓄えておくのが所謂正解択なのでは無いかと思います。

 

4.最後に

今期も調整メンバー、相談相手、チームメイトに恵まれ自分の中では比較的結果を出せるシーズンになりました。心残りなのは肝心のYACSで勝てなかった点ですが、それでも前期と同じく反省を踏まえてこのような記事にする事にしました。

改めてになりますが、関わってくださった皆様誠にありがとうございました。

 

ピュアリィミラー

ピュアリィレスキュー

ピュアリィラビュリンス

幻影ピュアリィ

↑10/1朝霞杯様の3人チーム戦の動画卓に解説として参加させていただいております。いずれもピュアリィ視点から重点的に解説して(知識が偏ってしまっている部分も目立ちますが...)おりますので是非ともご覧ください。

 

記事についてなどのご質問あればDMもしくは下記質問箱へお願い致します。