ピュアリィと2023年7月環境
前置き
前々期にピュアリィについての記事を書き、その中で「セカンドデッキとして立ち位置が良い」と言う話をしました。
そんな中前期ピュアリィは規制を回避し、瞬く間にトップメタへ。
単にピュアリィより上にいたティアラメンツというデッキが大きく力を落としてその立場に繰り上がった、とも取れますが、これがピュアリィ特有の強みである「デッキ内の自由枠の多さ」に起因するものとも考察できます。
当然トップメタへのし上がったピュアリィは仮想敵の筆頭となり、ティアラメンツをメタる側から雑多からメタられる存在となってしまいましたが、ピュアリィはかねてより空きに空いていたデッキスロットを「メタのメタ」であったり「雑多を淘汰する枠」に割くことが出来たため、結果的にお互いを対策しあった上でのデッキパワーの純粋な勝負に競り勝った、と言ったのが前期の印象になります。
例えば前期頭角を表したデッキに「斬機」があります。自由枠自体はそれなりにあったものの、安定性向上のためのスモールワールドの経由地点などを採用する必要があるのを考えると、メタを跳ね返す能力が少なくともピュアリィと比較してしまうと乏しい印象がありました。
そう言った具合で2023年4月環境はピュアリィを中心としたメタゲームだったことは否定しようが無い事実でしょう(実際ピュアリィの立ち位置が悪くなった時期は全デッキが集中的にピュアリィを見ていた時期だった気がします)。
ということで7月施行のリミットレギュレーションで規制を免れるわけもなく、下された判決は「スリーピィメモリー制限」と言うものでした。
制限改定とデッキとして受ける影響
結果と影響についての考察のみを行うので妥当性については置いておきます
ブレイクアーマーと煙玉禁止
「誘発を入れなければ対抗できない展開系」という存在に大きくテコ入れがなされました。
泉制限
神碑のゲームプラン自体は維持できているものの、除去札を受けにくい、強貪を打ちにくいなどのパワーダウンは明白です。
スリーピィ制限
後述
ピュアリィにおいてはこの3点が大きいかと思います。
あとはフェンリル禁止でデッキとしてのクシャトリラは存在しなくなり、ティアラメンツも大きな選択肢を一つ奪われる格好となりました。
やはりなんと言っても実際テーマ内のカードに触れた「スリーピィ制限」について考えていきます。
結論として、2023年7月環境、1週目のトップメタは間違いなくピュアリィとなっています。
#一滴杯
— ライト (@rai_10y) 2023年7月2日
【ピュアリィ】使用してシード込み8-0で優勝しました!
春化精アダマシア○×○
LL鉄獣○×○
烙印○×○
ラビュリンス○○
R-ACE ○○
シード
ティアラ×○○
烙印○○
《強欲で貪欲な壺》が強かったです
一滴杯参加賞でハーフBOX貰えるし雰囲気良くて最高です^ ^ pic.twitter.com/31Rmlr0x9O
7/5ネクストプレイ杯
— みりんちょ (@tyomirin) 2023年7月5日
ピュアリイ使って優勝しました!
予選
六花(レシピ不備)×〇〇
烙印〇〇
ドラゴンリンク〇××
ラビュリンス〇〇
魔術師×〇〇
トナメ
ラビュリンス〇×〇
ティアラ(時限判定)×〇〇
ラビュリンス〇×〇
構築はライトさん
プレイングは早さんのを参考にしました! pic.twitter.com/vmNTrCRZqm
しかしながら、事実としてギミック内のカードが減少しているわけで、それによって起こった影響について見ていくと共に、それでも尚環境に居座り続ける要因についても考えていきます
・デッキ内の速攻魔法の減少
ピュアリィにおける速攻魔法は試合の土台を作り出す初動であり、相手の妨害を乗り越える攻め手であり、抱えることでゲームの進行を担保する後続となります。
ターン数制限が無いなどと言った理由で被りも許容され、いかに速攻魔法を引き込んでいるかが勝敗を分けると言っても過言では無い本デッキにおいて、それらを最大枚数採用するのは定石となっていました。
4種×3枚の12枚の確定枠、それが10枚まで減少し、広い意味で安定感が低下しています。
ピュアリィで速攻魔法を捲りに行きながら攻める際のヒット率が激減してるのは明らかなので、総合的な勝率もまた影響を受けていると言えるでしょう。
・誘発貫通力の低下
先ほど申し上げた通り、速攻魔法は攻め手です。誘発を乗り越えて盤面を作る際もそれは普遍の事実なのですが、特に今回失ったスリーピィメモリーは特に重要な役割を担っていました。
改めてピュアリィの速攻魔法を見ていきましょう。(なお、対応するエクシーズは該当速攻魔法を素材にしていることを前提としています)
・ハッピーメモリー
発動時の効果...フィールドのカードに次ターン終わりまで効果破壊耐性を付与
素材時の効果...素材のハッピー+1回モンスターに殴れる永続効果
対応するエクシーズ...ハピネス(殴るとピュアリィカードをサーチしながら相手モンスターの攻撃力を半減、素材を吸うと魔法罠を選んでバウンス)
・プリティメモリー
発動時の効果...お互いのプレイヤーを1000回復
素材時の効果...自分の場のカードをコストに送ると相手の場のカードを対象に取りエクシーズ素材に取り込む起動効果
対応するエクシーズ...ビューティ(お互いのターンに1度対象を取る効果無効、素材を吸うとモンスターを選んで表示形式を変更)
・デリシャスメモリー
発動時の効果...フィールドのモンスターに次ターン終了まで戦闘破壊耐性を付与
素材時の効果...持っているエクシーズ素材の数×300攻守を上げる永続効果
対応するエクシーズ...プランプ(お互いのターンに1度お互いの墓地の魔法罠を2枚対象に素材に入れる、素材を吸うとモンスターを選んでファーファレル)
以上は前回記事の段階でもいたのですが、4月に新しくスリーピィに対応したエクシーズが登場しました
・スリーピィメモリー
発動時の効果...そのターンの次受ける戦闘・効果ダメージを0にする(重複可能だが累積はしない)
素材時の効果...相手のスタンバイにデッキからカードを1枚ドローする誘発効果
対応するエクシーズ...ノアール(自分のメインフェイズに手札を一枚捨て相手の場のカード2枚を対象として手札でバウンス、素材を吸うとデッキからピュアリィ罠を選んでセット)
このノアールの登場(紛らわしいのでこちらを小ノアールと呼びます)で何が変わったか、そもそもピュアリィの先行での方針が以前書いた記事のものとはまるで変わってしまいました
プランプを5素材まで育成しノアールを乗っける、もしくはプランプ+リィープで効果を使ってもなお耐性を維持し続けるノアールを成立させる、というのがそれまでのピュアリィだったものの、いとも容易くスリーピィ素材のノアールが出てしまうので、基本的にこちらに重きを置いた構築となっていました。
基本展開でスリーピィと速攻魔法1枚が絡むだけでノアールと2枚ドローが見込めるようになったことで、素材を大量に抱えたノアールを通してそのままフィニッシュに行くというよりは、引き込んだ誘発と盤面の妨害、そして盤石なリソースで先行の優位を維持した状態でゲームを運ぶのが前期のピュアリィの基本方針となっていたため、必然的にブレイクアーマーと煙玉を要するデッキに争う条件である「メインデッキへの誘発搭載」を叶えていました。
また、このノアール絡みの動きは基本的にスリーピィ1枚にさえ触れてしまえば、後は残りは11枚搭載している速攻魔法の何かしらを発動するだけでデッキから直接ピュアリィープを盤面に置くことができ、それまでピュアリィに対して有効だったドロール&ロックバードに対して無類の耐性を得るに至りました。
さらにはノアール絡みの展開で使うカードの枚数が少ないことから、そこで誘発を貰った場合以前の通りビューティでの妥協盤面や、プランプによる今まで通りのノアール成立を狙うことが可能となっており、ドロール以外の誘発に対しても高い受け性能を持ち合わせていました。
「先行展開の要求値の低さ」「環境にマッチした構築方針」「誘発耐性」
こういった要素を小ノアールの登場で得たピュアリィでしたが、そこに至るためのキーパーツであるスリーピィメモリーを減らされたため、少なくとも小ノアールが支えていた誘発への耐性という要素に関しては弱くなったと言わざるを得ません。
また、スリーピィメモリーというカード単体で見ても、「盤面が空でも打てる速攻魔法」というスペックを持っていたことからドローフェイズに発動できるため、ドロールやヴェーラーのケアをいっそう簡単に出来たものの、減ったのが無条件で打てる速攻魔法というのもまた痛手となります。
・誘発頼りのプランの瓦解
最低保証で2ドローノアールが担保されていると言いましたが、絡むスリーピィメモリーの枚数が増えれば当然ドローは増え、現実的に4枚ドロー程度であれば出来る機会が発生していました。
そのため盤面は捲られる前提として山上から妨害や後続を引き込むというゲーム展開も見込めたのでメインデッキから多くの誘発を搭載し、そう言ったゲームを構築から見据えていたのですが、ドローできる枚数の最大値の低下はもちろん、単純にスリーピィが絡む展開自体もフレンドで確定サーチできない点、そして先攻はプランプを育成する方向性に戻った以上、速攻魔法で捨てるカードは手札誘発のモンスターよりプランプで素材として吸収できる魔法罠の方が優秀であることから以前ほどの誘発寄せ構築は出来なくなってしまっていると言えます。
以上3点がピュアリィが本改訂で受けた影響のざっくりした内容ですが、弱体化をされてもなおピュアリィは環境において一定のポジションを保ち続けています。ということでその要因を分析しています。
その前に規制後どのようなデッキが存在しているかを確認していきます。
R-ACE
ラビュリンス
ティアラメンツ
烙印
恐らくピュアリィを除くとこの辺のデッキが現実的に候補になってくると思います。
一つ一つ特性を見ていきましょう。
1:R-ACE
今回の改訂を受け、過去のピュアリィと同じような理由、すなわち「元々一定数の入賞数を持ちながらも規制を避けたテーマ」として注目されたデッキです。
タービュランスが通った際のリターンの大きさは言わずもがなですが、テーマ内に手札誘発のようなカードがあり後手からも一定の勝率を見込める点、アトラクターや応戦などの尖った誘発を組み込める点、更に単純にモンスターを横並べをする能力や、そこに起因する構築の拡張性などから、現在はタービュランス一辺倒のデッキとは言えない印象があります。
プラスアルファで搭載するギミックは人にとって多種多様ですが、「タービュランスを通すために手札誘発による妨害を阻止する」「タービュランスが通った後の相手の捲りを牽制する」「タービュランスが止められた際に別の盤面形成にシフトする」など多種多様なアプローチがあり、対策する側の順応も求められます。
先述の通りスポットライトを浴びたことで多くのデッキが対策札、特にピュアリィがストリートを構築に戻して来ている点から、やや入賞数は控えめになりつつありますが、それでも仮想敵の筆頭となるデッキと見て間違いないでしょう。
2:ラビュリンス
ゲームスピードが高速化している現代においては珍しく罠を主軸に置いています。
分布やルールに沿って採用する罠カードはもちろん、どこまでギミックに構築を寄せるかも変わってくるため、環境次第で採用カードが大きく変わるという特徴的なデッキです。
現在で言うとレベル1〜3、所謂「家具」と呼ばれるラビュリンスモンスターの採用が一般的で、ギミックの太さや早いゲームへの対応力を担っています。リソースとしても優秀で、ギミックが循環したゲームにおいてその優位性を維持し続ける点から先攻ではかなりの勝率を見込めるデッキとなっています。
そんな先攻の強さの所以は「任意の通常罠にアクセスできる」と言う点。障壁やグランドと言ったターンスキップカードや、特にサイド後は紅蓮の指名者によって対策札を回避することも可能になっています。
そういった状況においては概ね2900以上の打点のモンスターが並ぶため、罠デッキ対面での「準備をしてから攻める」という勝ち方も現実的では無いのが更にデッキの評価を上げています。
3:ティアラメンツ
先に紹介した2デッキは、改定の影響を直接受けてはいませんが、ティアラメンツに関してはフェンリルを完全に取り上げられています。
たかが1枚に思えますが、主なパライゾスのサーチ先であり、パライゾスもテラフォーミングのサーチ先候補となるカードなので、デッキとしては選択肢を一つ失っている状態となります。
これまで幾度も規制を受け、多くのデッキパールツを失ってもなお残党たちが活躍し続けるのやはり単純なカードの性能が優秀だからと言わざるを得ないのですが、前期からティアラメンツの構築にはある変化が見られています。
それがレボリューションシンクロンの登場によって齎された「シンクロ召喚とのハイブリット」という新規の軸です。
今までのような融合モンスターでの妨害や罠での止まりどころに加えアビス+永続罠と言った形で結界波すら防げたり、ムドラケルドウに加え墓地にシラユキを置くことで盤面を解決されてされても妨害を残したりと誇張抜きで回ってさえしまえばやりたい放題できる、後攻もハゥフニスやティアクシャで今までより更に期待値は落ちるもののギミックのカードから勝ち筋を辿ることが出来る等、登場から一年経った今でもなお持ち合わせている環境随一の最大値の高さが魅力です。
とはいえ再現性に関しては度重なる規制の末激減してしまったと認めざるを得ません。墓地肥やしの抽選を受けるのも今まで以上にハードルがあり、墓地肥やしの際のヒット率も過去の期待値と比べてしまうと下がっています。
弱体化は否めないものの、それでもなお規制を食らったピュアリィや、それに台頭して現れたデッキ達に対して十分戦えるポテンシャルを持つティアラメンツもある程度の分布が予想されます。
4:烙印
こちらもR-ACE同様に規制を逃れたことで(そもそもこのデッキタイプが生まれた時点で多くのカードを取り上げられた状態でのスタートでしたが)名前が挙がったデッキの一つです。
先攻で動けた際の妨害数やリソースは環境でも随一のものがあり、取れうる選択肢の中に分かつ烙印でギミックパペットナイトメアを押し付けターンスキップに近い妨害を行うことができるのも大きな強みです。
ギミックが回った際の盤石さに触れていますが、その起点となるのは「烙印融合」。良くも悪くもこのカードが勝敗に占めるウェイトは非常に重いものとなっています。恐らくこのカードに対して集中砲火されるであろう妨害を如何に潜り抜けるかがこのデッキの秘める課題となります。
展開に深淵の獣を絡ませるパターンもあり、単純にそれらが誘発として有効になる対面も存在することから環境次第では深淵の獣をメインから無理なく採用できること自体が評価できるポイントとなります。
さて、ここまで候補となるデッキ達を見てきましたがそれを踏まえてピュアリィの立ち位置を考察していきます。
ゲームの始動の観点で言うと、速攻魔法初動が10枚まで落ちてしまっているものの、フレンドやリリィ、ピュアリィで探しに行けることや、自由枠をドローソースに避ける点を踏まえても環境でもトップクラスの初動の安定性を維持できていると考えて良いでしょう。動きの再現性の観点で言うとティアラメンツ以外の3テーマに匹敵するかそれ以上の力を持っていると言えます。
また、前々期から言っている「自由枠の豊富さ」。これは健在どころか、ポジティブに考えればスリーピィの2枠分浮いたとも捉えることができ、環境にマッチした構築をその時々で選ぶことが出来る拡張性に関しては他のデッキを凌駕していると言えます。
有利不利的な意味だと当て勝ちが出来るデッキは無いのですが、これはそもそも「ピュアリィに不利が付いているデッキは環境から淘汰される」と言った要因があるとも考えられます。
ギミックのカードは減ったことによる弱体化こそ否めませんが、メインギミック、特にプランプを起点としたノアールの成立に関してはまだ見込むことが出来るため、十分に選択する価値があるデッキとなっていると思います。
対ピュアリィについて
ピュアリィも仮想敵に入れる必要がある以上、策を講ずる必要が出てくるわけですが、周りのデッキから見た対ピュアリィについても以前と変化が見られています。
デッキ毎に、手数でクルヌギアスや打点を匂わせノアールの素材を切らせ突破、同じく素材を消費させた上で三戦や一滴などの後手札での対処、そして今期からに関しては特に誘発でそもそも動き自体を抑えつけるというプランも取れるため、どれが適切かは一概には言えません。
ここではノアールが耐性持ちの状態でも処理できる解答札代表4例の比較をしていきます
・倶利伽羅天童
他の3カードと比較してしまうとやはりネックなのが「相手が場でモンスターの効果を使用した」という発動条件。これまででは高確率で相手がスリーピィのドローを行う、或いはこのカードの存在からドローを放棄すると言う2択を強要できたものの、そもそもスリーピィが絡むゲームが自ずと少なくなっていることを考えると「ノアールのバウンスを一発受けた後」という状況が想定されます。となると一滴や三戦と比較してどうなんだ、と言う別軸の評価が加わり、「耐性持ちのノアールを処理するカード」に区分していいのかも怪しいラインとなります。
このカード特有の強みは相手の前盤面を(少なくとも一時的には)完全に更地にできること。 フレンドやストリートの効果は反応してしまいはするものの、それでもノアールを除去し最低でも3000打点、横にマスカレーナ、アンサンブルロビンなどがいる場合それらを巻き込んで打点にできます。
ややこれまでよりは評価は落ちるものの、スモールワールドなどとの噛み合いがある場合十分に採用を検討する価値があるカードかと思います。
・壊獣など
サタンクロースなどの召喚条件でリリースを行えるモンスター群です。
今までこのカード達には明確な弱点がありました。それがフレンドなどによるリソース回収を踏まえると投げたターンにゲームを終わらせない限り返しのターン含めピュアリィ側の優位を覆せていない点。壊獣の上からワンキル自体すること自体は多くのデッキでそこまで難しい話でも無いのですが、問題はこのカード達がメインフェイズまで投げられない点。スタンバイフェイズの相手の複数ドローを許容していることによって、ノアール以外の妨害、具体的には手札誘発を加味しつつ盤面の攻略に着手しなければならないというハードルの高さです。
倶利伽羅同様、ドローの枚数が低下しているところでそこの課題はある程度クリア、これまた倶利伽羅同様スモールワールドなどの理由で採用する価値は大いに見込めます。
ピュアリィミラーを想定すると、ハッピーデリシャスのワンキルラインの攻撃表示モンスターを押し付ける、自爆特攻先を用意するなどの使い方ができるため、少なくとも倶利伽羅天童よりは評価は上にいます
・オーバーディレイ
このカードはなんと言ってもドローフェイズに除去できるのが強みです。スリーピィのドローをさせずにノアールを退かすことができますが、フレンドの回収はされてしまう上、リリィやピュアリィを含む素材の中身が出てしまうためリソースはかなり抱えられてしまう状態となります。
逆に考えて新制限後はドローの枚数もそこまで伸びないため、このカード特有の強みはやや減衰しているとも捉えることができます。
とはいえ速攻魔法による除去というのは唯一無二であるため、リソースに付き合えるデッキ...は現実的にないとしても展開による蓋やワンキルが可能であればドローを封じるためにこのカードを採択する価値が見込めます。
・深淵の宣告者
種族属性を宣言し該当するモンスターを墓地に送るという行為を相手プレイヤーに強要するカード。相手プレイヤーが墓地に送っている扱いになるため、フレンドなどを反応させずに処理が可能です。また、通常魔法である点から先述の通りこれまでほど期待はできないものの、ドロー効果を使わせたのち三戦の号からアクセスが可能です。
ここまで見るといい事尽くしですが、速攻魔法を最終盤面に置かれるだけで、ノアールを処理する際に宣言する闇属性天使族を即座にノアールの横に用意されてしまう点がやや渋く、今まで紹介した3枚と比べるとプレイでのケアがしやすいカードとなっています(実際その択を取るかは置いておいて)
今でこそあまり見ませんが、虚無魔人をサイドプランに採用している構築に対してはそちらの処理にも使うこと出来ます。
最後に
ピュアリィを軸に簡易的にですが今期の走り出しを分析していました。新弾などは挟まるものの、はっちCSや日本選手権、そしてレギュレーションの差違はあれどWCSまで予定されている7〜10月間は遊戯王の競技シーンが1年において最も盛んになる時期と言っていいでしょう。
個人的な感想になりますが今期はややデフレ気味の環境で、全デッキが全デッキ弱みも強みも持っており、ここまで書いてきてなんですがピュアリィがベストなデッキ選択かどうかという部分もやや懐疑的です。
自分としてはこれまでの蓄積を流用できる唯一のデッキだから最有力候補に据えているという部分が非常に大きく、デッキ選択の時点で挫ける環境というのは久しく思います。
デッキの持ち込みで分岐が発生するのが良いか悪いかは主観が絡むので置いておいて、各デッキの特性を一つ一つ分析しておくのが今まで以上に肝要な環境なのでは無いかと思ったのが本記事執筆の主な理由です。