遊戯王

祝福後粛声メモ

久々の更新となります。

粛声を新弾後想定で回していたのでそれに関するメモです

 

デッキの立ち位置的な部分でいうと、この時期のティアラとピュアリィの関係値と炎王と粛声が似通っています。つまり粛声は「炎王をターゲットとしたメタデッキ」という方針で一旦考えて行く必要があります。

 

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デッキの基盤となるのはこちらに加え先述の祝福を加えた17枚では無いかと思います。空いた25枚はギミックの補強はもちろん、手札誘発の枠として運用することもでき、ある程度環境の流れに対応するポテンシャルがあると見えます。

 

1.テーマカード

飛ばしていただいて大丈夫です。

一枚ずつ触れていきます。サーチ範囲などがややこしいので太字にしています。

 

・粛声の祈り手ロー(以下ロー)

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成功時に永続を直接盤面に置く効果があり、ドロールや魔封じのすり抜けはもちろん、永続罠を先攻で運用することができます。

②はシュリットのような肩代わり効果。機会としては稀ですが、あくまで「できる」なので、手札から後述するサフィラを墓地に送りたい機会が生じた場合レベル1の生贄として使用することもできることに留意。

③は召喚方法を問わず場に戦士・ドラゴンの儀式(以降本記事内においてはこれら二つを指し単に「儀式モンスター」と呼称)に反応し墓地から湧く効果です。召喚方法を問わず、と言いましたがこのデッキは儀式召喚以外の方法で盤面に儀式モンスターを送り出す手段に富んでおり、それらにも反応することができます。

直感的にわかりにくい部分ですが、儀式召喚は「生贄が行われる→場に儀式モンスターが降臨する」という一連の過程の中で時間差があり、ローを素材にした儀式においてもそのローの③のトリガーを満たすことができます。(逆に「リリースされた時」に発動する任意効果はタイミングを逃します)

後述するテーマカードと合わせて1枚初動となる他、永続へのアクセスがゲーム進行において重要、おまけに被りも許容できるため、最優先のフル投入にしています。

 

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・サフィラ

①ブリューナクのような効果は儀式魔法を送らなければなりませんが、儀式モンスターのサーチ及び墓地からの回収もできます。

②の儀式召喚に関しては生贄のモンスターの属性を問いません

一枚で儀式モンスターと実質的な儀式魔法の役割を担えるので儀式の下準備のようなことができています。

テーマカードとして担える仕事があまりにも重く、被りそのものは手数とはなり得ませんがそれが減らす理由に足らないほど強力だと判断しています。

 

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・賢聖サウラ

かなり緩い条件で場に出すことができ、コストで手札に戻すことで場に儀式モンスターを直接デッキから呼べます。

「〇〇により降臨」とだけ書かれた儀式モンスターを出すことが可能です。特殊召喚モンスターである儀式モンスターを出せるのは直感的に理解しにくい部分ですが、「デビル・フランケン」が感覚として近しいかと思います。ちなみにですが、儀式召喚では無いのでこれで出したモンスターの蘇生制限は満たせません。

最終盤面に添えれば妨害数の増強になり、場に出さない場合もレベル7のリリース要因として役割が持てますが、このカードからの動き出し自体は出来ないことと、後述する儀式魔法の性質上あまり先攻盤面で積極的に狙うことはありません。

 

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・ローガーディアン(以下ガーディアン)

儀式召喚にのみ反応し「粛声」モンスターか儀式モンスターをサーチします。基本儀式という行為はアド損ですが、こういった部分やローの自己蘇生によってそれらを正当化していきます。

場か墓地にローがいると打点が4100まで上昇します。現環境で見てもかなりの高水準で、基本的にライフを取る術はここに任せています。

場にローがいると万能無効を持ちます。こちらを基本の妨害として先攻展開を考えます。

 

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・サウラ

①の対象を避ける効果は先攻時に泡影などに対してのみ指名者のような役割が持てる他、後攻でも相手の妨害の性質次第では本命を無理やり通すことができます。

あまり今まで陽の目を浴びなかった②の効果はこのデッキではメインの妨害として運用できます。チェーンブロックに乗らない特殊召喚を無効にして「除外」するため、炎王側はディアベルスターにこの妨害が直撃すると財宝狩りが打てなくなるといった問題が発生してしまいます。

 

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・結界

①は盤面を強固にする効果です。この条件が達成できている場合ローガーディアンは4100になっているので耐性持ちの4100に対してしか殴れないみたいな状況を押し付けることができます。

②は「粛声」カードサーチで覚えてもらって問題ないかと思います。(一応昔のローガーディアン、今後増えるかもしれないローガーディアン儀式も範囲になりますが...)

毎ターンサーチできるので置いておくだけで後続が担保されます。

 

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①「粛声なる祝福」以外の自分の墓地・除外状態の「粛声」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
②儀式モンスター以外のモンスターが表側表示で召喚・特殊召喚された場合に発動できる。
レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、
自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、
手札から戦士族・ドラゴン族で光属性の儀式モンスター1体を儀式召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは戦闘では破壊されない。

・祝福

こちらが新規。

①は対象こそ取りますが雷獣龍の要領で「粛声」カードサルベージを行うことができます。

②が非常に強力で、永続魔法の性質上毎ターン儀式の機会を貰えます。相手ターンで儀式を行うことで手札に帰ってきたサウラを再び送り出せたり、ドロールなどでパーツが欠損し先攻で儀式ができない場合も相手ターンで無理やりガーディアン着地を狙える点も魅力ですし、自分の召喚にも反応するので自ターンでの行動回数も増やせます。

このカードによって単に誘発や捲り札で先攻が挫けたからといってそのまま何もできず負けることが減ったり、シンプルに妨害数が増えたり、2ターン目以降の攻めがより確実なものとなりました。

とにかくこのカードを獲得したことで取ることができるプランが多様化したのが新弾後の粛声が評価される要因だと思います。

 

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・祈り

①はサフィラと異なり生贄が光属性限定な点は注意が必要でしょうか。この効果による儀式はターン制限がないため、祝福でこれを回収し儀式の体数を増やすこともできます。

②も賢聖サウラ同様に蘇生制限は満たせないもののデッキから儀式を出せます。基本的にこの効果を運用することはないものの、このカードが墓地にある事実が抑止力として機能し盤面の強度を上昇させています。(賢聖サウラを先攻で自身の条件で出したくないのはなるだけこのカードを墓地に維持したいため)

先攻で墓地に置いておくことに意味はあるもののサフィラの①、下準備の発動条件を満たすためにデッキに眠ってもらわないと2ターン目以降の攻めがやや弱くなる点で2枚。3枚欲しい場面も無くはないですがデッキの中身を管理すれば問題ない範囲ですし、このカードは被っても片方を生贄にできないため事故になるパターンが見られる、そういった面で現状この枚数に落ち着いています。

 

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・下準備

対応は祈りとサウラorガーディアンとなっています。

モンスターは墓地からも拾えますが、こちらもサフィラ同様デッキに儀式魔法がないと打てません。

時間経過とともに発動条件を満たしにくく、尚且つ一枚打ってリソース循環が始まってしまえばゲーム進行に一切関与しないカードという点で減らしている構築も見られます。実際さっきも言ったとおりやっている行為自体はサフィラと変わりません。

 

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・威光

墓地か手札から儀式モンスターか儀式魔法を戻し、「粛声」モンスターをサーチかリクルートします。

基本的にこのカードで消耗したサウラや儀式魔法をデッキに返し、賢聖サウラを場に出して妨害の追加を行ったり、余裕があれば次の動きも確保できます。

破壊する方の効果はこのカードの維持こそ出来なくなってしまうものの、平均的に1、2枚のカードを処理することができます。また、祝福登場後はこのカードも回収対象になるため以前より打つ機会も増えるかと思います。

 

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ダイナモンド

基本エクストラを使うデッキではありませんが、ことこのカードに関しては必須と言っていいと思います。

フルバリューで使うには墓地に儀式が2枚必要ですが、どちらか一つだけの使用でも非常に強力です。

 

以上を踏まえ、サンプルリストを解説します

2.構築例

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(+祝福1枚)

構築面に関してはまだまだ吟味が必要な部分が大きいと自分で思っているのであくまで「サンプル」という言葉を用いています。

特にエクストラに関しては改善や拡張の余地があるものと捉えてください。

 

・ガーディアン2枚目

先攻時の詰めの際、盤面にローとガーディアンを維持することでカードの発動を抑止し続け、2枚目のサーチや打点で押し込むという進行を取れるよう2枚。レベル7↑の光属性モンスターに関しては組み合わせ初動としての価値がある。

 

・サウラ2枚目

誘発にサウラを投げてしまった場合に1枚だとサーチ先から無くなってしまう、祝福での回収範囲でも無い点で、再利用は威光のみで可能です。

素引きはレベル7↑としての価値はもちろん、誘発の遮断も行えます。

 

・誘発

対炎王の基本方針は、先攻時「盤面で完封」or「盤面からの妨害+誘発」後攻時「誘発複数枚で先後の逆転を図った上でギミックで蓋」となります。

従って、ある程度ゲームプランが素引きの誘発に頼りがちな面があり、その母数は勝率に関与するものとなります。

無効系の評価はギミックの断絶、という点において非常に高く、Gも妥協展開に移行させることが先ほどの「先後の逆転」に貢献します。

そういった面で灰流うららが外れた理由は炎属性であるという点が大半です。

誘発としての評価は決して低くなく、妨害として機能した場合は上記の誘発と同様のことができる上、対応範囲も段違いです。

とはいえ貫通に際した相手への要求が「ヒータを出すためのリンク数」となってしまっており、カードを一枚失うだけの価値はないと結論付けました。

ニビルは単体では相手の選択次第で無力化させることはあれど、メイン戦のリターンの大きさ、無効系誘発とセットで持った場合の通りの良さ、そしてレベル7以上の光属性モンスターである点が大きいです。

これらの誘発の比率は環境や分布、出場大会次第で検討するべき点であくまで一例であることにご注意ください。

 

・宣告者の巫女(以下ディヴァイナー)

展開の項で後述しますがこちらも一枚初動のカードです。

1枚初動ではあるものの、被った2枚目が活きるパターンが稀である点、手札から展開に加担する事も無いので召喚以外の活用ができない点など、ローより劣ってしまう面が多々あります。

組み合わせ初動が基本のデッキにおいて1枚初動は貴重ですが、感覚値になってしまうものの初動の枚数に不満がない場合、上記の理由から誘発などに変更できる枠かと思います。

被り+誘発が許容されるゲームスピードに落ち着いた場合はギミックに触れず負けるパターンを回避するためフル投入、誘発をもらって全く動けないパターンや被りが即負けに繋がってしまう環境においては採用しない選択肢もあります。

 

トリアスヒエラルキア

ディヴァイナーを採用する場合にはそれらを一枚初動にするためにセットで採用となります。

素引きもレベル7↑の光である点や、ローやディヴァイナーへの無効系誘発を回避できる点が評価できます。

2体以上リリースした場合の追加効果については、ディヴァイナーに誘発をもらったものの、素引きのこのカードを使う必要がなく、最終的にローも場に送り出せる、といったギミックによったハンドの際に相手ターンで使う場合が存在はしているので念の為覚えておいた方がいいです。

 

オッドアイ

「魔法効果を止める」という一見するとガーディアンに劣った妨害(墓地効果やフィールド起動に打てるものの)に見えてしまいますが、対炎王をターゲット、それに準じて増加するミラーを考えた際にこちらの妨害はサウラより優秀です。

賢聖サウラでアクセスできないものの、ガーディアンやサフィラのサーチを駆使し積極的に狙っていきたい妨害です。

エンドフェイズに儀式魔法とセットで帰ってくる点も2ターン目以降の継続的なマウントに貢献する要素です。

 

・下準備

ギミックの増築に過ぎませんが、展開の項で詳しく述べます。

 

・強欲で金満な壺

天底との選択枠であると捉えています。

ドロールやミラーの増加を危惧してこちらにしています。

ミドラーシュというリソースを無視した蓋の存在や、確実に儀式のパーツを貰える点に関しては天底に軍配が上がると考えています。一番の理由はやはりドロールに対してアドバンテージ面で主張できている点ですが、対ドロールについては後述します。

 

・ヌトス

エクストラの複数枚目については強金での選択肢欠損を嫌っての採用になりますので今後省きます。

ディヴァイナーから盤面に触れる手段として採用しています。ミラー等で相手がマクシムスを発動した際に落とす選択肢にもなります。

 

・虹光の宣告者

ディヴァイナーから落とす選択肢になります。基本的にトリアスの方が優先度は高いものの、そちらが使い切りのカードのため、2枚目以降の落とす先、さらには先攻時のハンド次第でトリアスより優先してこちらを墓地に送るパターンが存在します。

こちらも一応マクシムスの選択肢としてありえます。

 

・アニマorリンクリ

ローをリンクにしてリトルナイトを狙う、もしくは召喚権が余った状態でローを変換して祝福で回収して頭数を増やす、といった意図があります。

ローは召喚権以外で場に出ることがあり、そのためアルミラージは候補から外していますが、これは副産物として「メイン戦においてヒータで奪うものがない」という利点を生み出しています。

 

・リトルナイト

2ターン目以降や後攻時除去や蓋として活用します。

墓地に触れる点もこのデッキでは肝要となります。

 

・ティフォン

手札に戻す、という形での除去が貴重なデッキで、相手ターンで盤面を作る行為もギミック内であるため採用しています。

 

アンヘル

トリアス+ローが頻発する組み合わせでしょうか。

ティフォン同様テーマ内で補えない除去としての運用になります。

このカードに関しては、サフィラと祈りでリリースできるモンスターの範囲が異なることが稀に状況を分けるので留意してください。

 

・マスカレーナ

詰めの妨害としての役割が大きく、このデッキではダイナモンドも出す候補になります。

 

エクストラに関しては強金型、天底型、はたまた別のギミックによって完全に分かれてしまいますし、当然他にも採用し得るカードは山ほどあるので、こういった一見エクストラに頼らないデッキだからこそ数多くの場面に出会い精査していく必要があると思います。

この場合虹光やティフォン、マスカレーナに関してはやや採用理由が弱く、言ってしまえば余裕があるから採用した程度と思われてしまっても仕方ない部分かと思います。

対戦の過程でこれらより使用するであろうエクストラデッキのカードと出会った場合入れ替わる候補となります。

 

3.展開例

繰り返し言ってきた「初動」という言葉の定義を、「ロー+ガーディアン+永続魔法」と定義づけます。

矛盾したようなことを言うと、このデッキは「一枚初動を有する組み合わせ初動デッキ」といった要素を含んでいるデッキです。

更に詳らかにすると、「カードそれぞれに出来ることがあり(その中には上記の初動の条件を満たすものもある)それらを複合し盤面の強度を上げていく」というのがこのデッキの本質です。

下準備を3枚入れる方針で考えているのはこれに起因しており、サフィラと役割が被っている、という面は言い換えればサフィラを使わずにサフィラを同じ事が出来ている、といった状況に他なりません。(対アポロウーサや墓穴に際して下準備スタートがサフィラに勝る面があるなどの要素も評価基準ですがあくまで先攻に限定して論述しています)

貰った機会をそれぞれ活かし盤面を伸ばしていくという特性上、今から触れるのは展開例というか「このカードからこのように上記の盤面を達成する」という紹介になります。

 

ロー1枚

①ローの成功時に結界を置く

②結界でサフィラを加える

③サフィラで祈りを送り、ガーディアンを加える

④サフィラの墓地効果でローを生贄にガーディアンを儀式

⑤墓地のローが反応する(同一チェーン上でガーディアンのサーチも行う)

この時点で先の初動の条件を満たしており、その上でガーディアンのサーチ先を貰うことが出来ています。全ての展開に言えますが、展開を伸ばす余地が他のハンド次第で存在します。

 

ディヴァイナー1枚

①ディヴァイナーでトリアスを墓地へ送る

②ディヴァイナーをリリースしトリアスの効果で自身を特殊召喚

③ディヴァイナーのリリースされた際の効果でデッキからローを特殊召喚

→ここからロー1枚の①に合流、なお儀式のリリース要因はトリアスでも可

 

この展開はガーディアンのサーチはもちろん、トリアスかローの自己蘇生が余っているので、それらによって展開が伸びます。

 

下準備orサフィラ+リリース要因

①下準備、サフィラでガーディアンをサーチ

②サフィラ墓地効果か祈りでリリース要因を素材にガーディアン

③ガーディアンでローをサーチ

④ロー召喚、成功時効果で結界

結界のサーチ、ローの自己蘇生が残っており、下準備スタートの場合はサフィラも控えているので結界からサフィラを加えることで儀式モンスターをローを素材に繰り出すことが出来ます。

 

これらの3パターンからの応用を検討していきます。

更に発展として、このデッキにおけるギミック範囲での行動を明確にすると

1.ディヴァイナーの墓地送り

2.ディヴァイナーリリース時

3.ローの成功時

4.ローの自己蘇生

5.結界によるサーチ

6.祝福の回収

7.祝福の誘発儀式...(1),A

8.威光のサーチかリクルート,B

9.サフィラによるサーチ

10.サフィラの墓地効果...(2)

11.祈りの発動...(3)

12.ガーディアンによるサーチ

13.賢聖サウラの自己特殊

14.賢聖サウラによるリクルート,C

15.ダイナモンドによる儀式の蘇生,D

 

これらが大まかなものになります

(1)、(2)、(3)が儀式を行うアクション、ABCDが相手ターンで盤面を拡張するアクションになります。(後者に関して、それらに反応して出したローが永続を追加するのを込みで想定しています)

5に関しては祈りを回収した場合11(3)へ合流しますから、祝福は間接的なものも込みで2回儀式の機会を得ることができます。

ともかく、展開例で述べた通り、余っている手段こそが言わば「展開を伸ばす余地」であり、出来うる行動を整理して行くことが理解に繋がります。

また、3は5、6、7への合流が確実なものですので、仮に永続が3種類揃っている状況では盤面を強化する手数とは判断できません。11は下準備から繋げることもでき、パーツの素引き(強金や天底)もミッション達成に寄与します。

このように有限な行動権を如何に行使できるか、或いはどのように手数から更なる手数の獲得に繋げるかを検討し、最終的に(1)(2)(3)ABCDを用意するのが基本方針になります。

 

具体的な盤面の検討

手段を確認したところで次は目的を見ていきます。

ガーディアンの安着が第一通過点ではあるものの、それだけでは1妨害に過ぎません。

(1)(2)(3)を駆使し儀式モンスターを横並べしていくのは勿論、毎ターンリソースを増やすために必要なのが、結界・祝福・威光を揃えることです。

そのために重要なのは相手ターンにもローを素材に儀式をし、墓地から出したローで欠けている永続を補填するABCDから繋がる4のアクションです。

 

具体的なハンドを見ていきましょう

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永続を集めるアクションは、ローによるアクセスか結界によるサーチに限られているので、結界を素引きしている上のハンドにおいては、とりあえず3種類の獲得が出来ますし、下準備+リリース要因が確保できているのでガーディアン成立に関しては何ら問題なく行えそうです。

ここで若干検討の余地があるのが、下準備・これから絡める可能性のあるサフィラでデッキ内の儀式魔法を2枚要求されていますが、一枚素引きしてしまっている点。つまり、先ほど言った行動回数をフルで発揮するにはデッキ内に一度何かしらの手段で儀式魔法を入れ直す必要があり、その行為を行えるのは賢聖サフィラか威光の二択です。

下準備でガーディアンと祈り

結界を貼り、祈りで手札のローを素材にしガーディアン

ガーディアンでサフィラ、ロー自己蘇生

ローで威光を置く

結界で祝福を加える

威光で儀式魔法を戻し賢聖サウラをリクルート

サフィラでオッドアイズをサーチ

サフィラ墓地効果でローを素材にオッドアイ

祝福でローを回収し通常召喚

相手の誘発を度外視して最大値を狙う場合はこのようになるでしょうか。

 

4.対誘発

誘発を度外視、と申し上げましたが続いては対誘発について先攻時の判断材料についてです

 

灰流うらら

どのようにしても確実に一手を奪われる誘発です。

これを超える手段として最も安直なのは「同系統の手数の複数回プレイ」であり、すなわち強金、下準備、サフィラ、結界、ディヴァイナーのうちの複数枚を引き込むことです。

例外としてディヴァイナーの墓地効果があるものの、基本的に相手視点は無効系があるならサウラヴィスもしくはローとガーディアンが揃って誘発を打てなくなるのを嫌い最初のサーチ行為にうららをプレイするのが得策になります。そこから考えると、「確実に被弾はするもののチェック自体は容易」と結論付けることが出来、ギミックをある程度盛った構築であればある程度貫通が担保されていると言えます。

 

泡影ヴェーラー

サウラは勝ちに行くには儀式モンスターとして場に繰り出したいため、投げて対処するという指針は一旦置いておきます。(勿論無効系誘発を無力化し本命を通しに行ける点は評価できます)

ローの儀式素材を踏み倒す効果はヴェーラーで無効になってしまいます。

そのため確実な儀式のためには、パーツが揃っている前提ではあるもののローを召喚せずに手札から生贄にし、その後自己蘇生する、という手段を取る場合があります。出す先がガーディアンであればローの成功時効果で永続を貰うことが出来ます。

 

増殖するG

2ドローまででガーディアンに行ける場合が多いので、少なくとも先攻1ターン目で致命打になることは稀です。

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画像のようなハンドだとかなり受けが良く、

下準備で祈りとサウラ

祈りを発動

→Gがなければ手札からローをリリースしてガーディアン

→Gを打たれたらニビルかサウラを素材にガーディアンを出しローを召喚

(予めサウラを抱えたことを担保にロー召喚スタートの選択もあります)

 

例外としてディヴァイナー一枚展開がガーディアンの着地までに3ドローを許してしまいますが、それでもなおディヴァイナーの採用に踏み切っているのには理由があります。

 

・前提としてディヴァイナーだけでしか動き出せないハンドは、誘発まみれのハンドである可能性が構築上高く、2ドローでのローでリソース回収が出来ればゲームが成立する

・ディヴァイナー以外の動きを抱えている場合、自身の効果でレベルが上昇したディヴァイナーを生贄に儀式を行えば、実質的にローをリリースしたのと同じドロー枚数・盤面となり、ディヴァイナーがGを重く受けた場合に該当しない

 

と言ったところで、ディヴァイナーの採用=Gによる負けという極端なパターンに陥るのは割り切っていい範疇の事象と考えています。(ディヴァイナーを含めた召喚権を過剰に引くというパターンがあるため採用枚数を減らす理由へ繋がります)

とは言えディヴァイナーというカード自体はローと比較して誘発受けが悪いのは事実です。環境として一枚初動、そしてそれが挫けた場合のカードとしての価値をよく吟味する必要がある部分かとは思います。

ですがディヴァイナーはとある誘発に対しては強く出れる面があります。

 

ドロール

それがドロール&ロックバードです。

 

正直な話をすると何かしらの工夫で対抗してきた上記の誘発と違い、儀式テーマの「パーツを集める過程を経て展開に移行する」という性質上、ターンスキップを強いられることが多いのは明らかです。

ドロールは性質上、非常に楽観的に見れば「ターンスキップはしているものの、損失自体は与えられていない」という弱点があり、このデッキではそこにアプローチをしていくことにしています。

ギミックの遮断は仕方ないとはいえ、相手にアド損を強いる形でドロールを打たせ、こちらの主流の誘発プラン、サイド後であれば先攻札を駆使し、何としてでも2ターン目を貰う。これが基本的なドロールの貰い方になります。(強い言葉を使って誤魔化していますが、食らって重いのは否定しようもない事実です)

また、パーツを集める過程が生じるから重い、というのは裏を返せばその過程を飛ばしてしまう、或いは一番最初のサーチ行動でパーツを揃えてしまえば、素引きのパーツと組み合わせることで儀式を成立させることも可能ではあります。

一番最初のサーチ行動で儀式に触れる、その手段としては先ほどの表ですと1、5、9と下準備、素引きを加えたものが全てになります。(この理由から、確実に儀式の素材を回収できる下準備より先に強金を打つ行為がドロールを考慮すると矛盾しているので、そもそも発動を検討する場合がありますが、基本的に誘発やサイド後先攻札を入れる都合上ジレンマの域を脱しません)

サーチ以外のアクションで言うと、ドロール適用下でも3に関しては永続いずれかにアクセスすることが可能です。

結界→そのターンでのサーチは封じられているも次のターンまで残る前提であれば選択肢が最も広い

祝福→場に出したローをリンクに変換して確実な後続の確保。また、儀式モンスターを引いていた場合相手ターンで盤面の拡大を図る

威光→儀式モンスター儀式魔法があればリソース確保のみならずサフィラを墓地に置きつつのリトルナイトを成立や賢聖サウラの先出しで妨害に繋げる

ローはほぼサーチと同等のアクションが取れるため選択肢が広く、他の持ち物によって柔軟に妨害や後続に繋げることができます。

かなり上振れではありますが、ローを素材に儀式できるほど手札が整っていれば、儀式モンスターによる妨害を成立させつつ永続の設置を叶えることができ、対ドロールにおいてはローを如何に絡めるかが“ドロールを受けた上で先攻側として優位に立つ”という点で重要であることがわかります。

 

つまりドロールは、受けてはしまうものの、デッキの中身を工夫することでゲーム進行ラインに立つことをケアとして設定、素引きの範疇でやや損をしつつも儀式やリソース確保を行えれば僥倖、という事になります。

 

話を戻しますと、ディヴァイナーはこの理論に則るとドロールを考慮する場合において優秀な初動となります。

 

第一の理由としては「一回目のサーチで足りない儀式パーツをサーチできる」という点。虹光を経由することで召喚権から直接サーチすることができるほか、先ほど紹介した一枚展開でもローで結界を貼るまでの過程で一切のサーチ行動をしていないのでドロールの被害を最小限に抑えられています。

更にいうとこちらの一枚展開はリンク数2に到達しているのも評価ができます。ローで先述の三種類の択いずれかでリソースを確保しながらリトルナイトという最小限の妨害に着地することが可能です。

①ディヴァイナーでトリアスを墓地へ送る

②ディヴァイナーをリリースしトリアスの効果で自身を特殊召喚

③ディヴァイナーのリリースされた際の効果でデッキからローを特殊召喚

④ローの成功時の効果で祝福

⑤ローをリンク1に変換し、祝福でローを回収

⑥リンク1とトリアスでリトルナイト

(儀式モンスターを素引きしていた場合、相手ターン祝福でローを素材に儀式、されにローの効果で結界か威光を設置)

 

また、このカードのレベルをトリアスで上昇させ、それの素材に儀式をするという行為は単純にローの枚数の増量になっています。つまり、ドロール下において先攻盤面を作るという上振れ要素にも一つ貢献できています。

 

先攻にも関わらずドロールによって一方的なゲームを構築されるというパターンを嫌う場合、ディヴァイナーは単純な一枚初動としての評価のみならずかなりバリューの高い一枚となっています。

 

現状想定される中で意識すべき手札誘発はこのあたりでしょうか。

手札誘発は当然非公開領域から介入してくる存在ですので、何をどれだけ重点的に意識し構築するか、プレイするかに関しては環境の変遷によって対応すべきですし、粛声はその変化に順応していくポテンシャルがあると考えています。

 

現状記述できる内容は以上となります。

環境や採用カードの流行、具体的にはミラーマッチの増加など、まだまだ研究を重ねていかなければならない部分が大半ですから、あくまで基礎的な部分に限り本記事を作成しました。シーズン終わりなどに機会がありましたらまた記事に出来たらと思います。

質問はXのDMなどで頂ければと思います。

https://twitter.com/mikanayuip_

(凍結してしまったので新しいアカウントです)