ピュアリィ(2023/2月環境)
ご無沙汰しております
RAM杯
— しらっくす (@shiraxv2) 2023年2月4日
使用 ピュアリィ
1.深淵スプライト〇〇
2.ティアラ×〇〇
3.ティアラ〇××
4.みかんこ〇〇
5.ピュアリィ〇〇
トナメ
1.クシャトリラ〇〇
2.神碑××
ベスト8でした。
早さん(@mikanayuip)から貰ったヴォルカニックバレットが強かったです。https://t.co/I5w8Ea2MyA#RAM杯デッキ pic.twitter.com/gK6RqWroAl
第2回オグCS in愛知個人
— ニノマエ (@mrskotake) 2023年2月12日
ピュアリィ 7-1 優勝
早くんがライブの打ち上げで全部教えてくれました!@mikanayuip
勇者ビーステッド 〇〇
勇者ビーステッド 〇〇
クシャトリラ ××
マリンセス 〇×〇
鉄獣スプライト 〇〇
ピュアリィ 〇〇
ピュアリィ〇×〇
クシャトリラ ×〇〇 pic.twitter.com/exENd4aIvZ
僕自身ピュアリィで一度も実績を残せていない状況にはなりますが、構築等幅広く相談に乗っていただいた方々にお名前を出していただいた点や、YUDTや日本選手権前期予選を踏まえ個人的に質問をいただく機会が何度かあったため、この場を借りて思考の整理、言語化を行いそれが誰かのお役に立てればと思い、本記事の執筆へ至りました。略称など使ってしまいますがご了承ください。
また、本文では選択経緯や構築の検討の遷移、実戦における基本的なプランを主に記載する予定です。より応用的な内容に関しては上記のお二方が先に書いてくださっている文献をご参考いただくことを強くお勧めします。
1.本デッキの選択理由
前提として、デッキとしての出力、対応力が圧倒的に群を抜いている点において、現環境における明確なトップのポジションはティアラメンツです。
ティアラメンツでないデッキ、今期で言えばそれらはメタデッキと呼称してしまっていいでしょう。それらを選択するに当たって下記2点を満たさねばならないと認識しています
・ティアラメンツに対する明確な勝ち方がある
・ティアラメンツに対するメタカードを回避できる
(今期に限らず所謂一強環境においてベースとなる考え方だと思います。無論そういった対抗馬の存在すら許さないほどトップデッキのパワーが群を抜いているケースは存在しますが)
「勝ち方がある」という表現に関してですが、これはティアラメンツに刺さるメタカードを搭載する、というだけで無く、積極的におおよそ捲られないであろう盤面展開等を行う形でティアラメンツ側に選択の余地すら与えずワンサイドゲームを作り出せるようなデッキと定義します。
例えば深淵の獣系統のデッキはメインデッキのおよそ1/4をも占める深淵の獣達そのものが下級ティアラメンツの墓地効果による融合を阻止しつつ、リンク素材やシンクロ素材として活躍でき、そこから繰り出されるシンクロモンスターによる盤面は通ればかなりの勝率を期待できる盤石なものであります。
メタカード云々の話はティアラメンツを仮想敵としたカード、最も分かりやすいところで言えば深淵の獣によって自分の動きが著しく妨害されてしまうという形で巻き込みメタを被弾してしまうデッキは避けた方がいいという話です。また、マッチ戦を想定した場合に対ティアラメンツの後手札として冥王結界波、拮抗勝負に採用の余地があるため、それらによって多大なダメージを受けてしまう盤面形成しかできないデッキは候補から消えるでしょう。
僕の認識ではピュアリィというデッキはこの2項を満たしています。
明確な勝ち筋として挙げられるのはまずノアールの成立。対面を選ばず一定の要求値を押し付けることができ、少なくともメイン戦では成立そのものが概ね勝ちへと繋がります。
また、ティアラメンツに対して一定の活躍が見込めるDDクロウをギミック循環の過程でサーチ可能であったり、その他の誘発を始めとする自由枠のカード達と共にフレンドとストリートのリソースに付き合わせる、というサブプランも存在します。先行でのノアールの成立にはカードの枚数を要求されますが、こちらのサブプランでの進行、或いは後攻時においては豊富なスロットを誘発や後手札に割き、少ない枚数でもギミックを機能させることができる利点を発揮することができます。
深淵の獣は少なくとも妨害として致命傷になることは無く、Gうららといった今期における優先度の高い誘発に対しても平均程度の手札で受け切れるかと思います。
ノアール成立に対しては、現環境においては対ピュアリィを想定したメタカードでなければ解答にはなり得ず、冥王結界波に関してはどのような進行でもそこまで重くなることはないかと思います。
以上の理由から、ティアラメンツが圧倒的シェア、入賞率を有する環境においても、少なくともセカンドデッキとしての立ち位置は十分に期待できるデッキであるとの結論に至りました。
2.構築とその考え方
構築の話を始めるにあたり、このデッキの確定枠となる部分についてお話しします
ここでは「確定枠」をそのデッキを構築するにあたり、そのデッキ特有の勝ち方を目指すことが出来る最低枚数とします。
かなり緩めの選定にはなりますが、70枚中確定枠と言えるのは画像の25枚となります。
以下各カードの簡単な説明となりますが、テキストそのものの記載は省略します。
また、このデッキにおける初動という言葉は「ピュアリィエクシーズ+フレンド」の盤面を形成できる状態であると思ってください
ピュアリィ×2
・完全な一枚初動ではない
・先行で3枚を使い切る場合はほぼ無い
・後手であればターン1が無いことから対面問わず妨害を踏みながらの複数回使用が想定される
リリィ×3
・一枚初動であり召喚権としてはかなり優先度が高い
・各効果に同名ターン1はあるものの、素引き自体がGの受けを改善でき、ゲームの進行や妨害の受け方次第で複数枚使用する場合が想定される
速攻魔法(プリティ、ハッピー、デリシャス、スリーピィ)×12
・先行では速攻魔法を如何に引き込めるかがノアール成立を左右する
・後手では速攻魔法の枚数がそのまま手数となる
(速攻魔法で手札を捨てる行為は厳密には処理時の追加効果となりますが、便宜上本記事では「コスト」と記載します)
フレンド×2
・一枚手札コストは必要であるが一枚初動
・同名1回がある永続魔法であり分布次第では被りが許容されない
ストリート、リィープ ×1
・リリィの選択肢としてあると盤面の強化や誘発受け改善が期待できる
・素引きでも上と同じ効果は期待できるが、これらそのものは手数になり得ない
ビューティ、ハピネス、プランプ(下級Xと総称)
・速攻魔法からの繋がりを担保するため1枚ずつは選択肢として必要
ノアールは説明不要かと思うので概ねこのような形を基盤とします。
実にデッキの半数以上が環境に応じて対応できる枠となっています。(Gをはじめとするあらゆる環境で必須確定となるカードが存在する以上実際の自由枠はもっと少なくはなりますが)
これらは当然、参加する大会の形式、地域、予想される分布などによって変化する枠であり、ここで構築を固定化してしまうのはデッキの利点を損なうこととなります
ここで載せる構築はあくまで1例で参考程度に採用理由を見ていただければと思います(なので不採用理由は当記事では記載しません)
この構築の仮想敵は、第一にティアラメンツ、次いでピュアリィ、メイン後手でも取れたら嬉しい程度にその他展開系(深淵の獣スプライト、勇者シンクロといったデッキを一括りにしています)の3タイプをティアラメンツにやや比重を寄せた形で広く見ています。
ここで先程の確定枠として提示したカードとの差異を分析していきます
ピュアリィ3枚目
2枚目までが確定枠となっていましたが3枚目が搭載されています。
前述の通り先行展開では2枚までが概ね想定される使用枚数ですが、後手においては速攻魔法から白を何度繰り出し捲る機会を得るかが手数に等しく、仮想敵次第で枚数が増える枠です。
実際に最大のターゲットとして設定しているティアラメンツに対して、後述するバレットの採用もあり3回目を使う事が現実的であったため、被りなどのリスクを許容しマックス採用となりました。
G×3
被りを加味しても自ターン相手ターンで打つ機会がいずれも十分にある事もあり、今環境に限らず誘発にある程度妨害としての役割を任せているデッキである以上確定と見て問題ないと思います
うらら×3
Gと理由自体はあまり差はありませんが、少なくともターゲットとなるデッキに対してはリターンがGより薄く、少なくとも後手でこれ1枚しか誘発が無いという状況でそこまで安心感がある誘発ではないためやや優先度は下がるかと思います。
DDクロウ×2
現状あらゆるデッキに対しては打てはするものの、基本的には打つ側が枚数として損している誘発である事は事実です。そもそもこのカードの評価軸として「こちらの-1を加味してしてもテンポなりの点でそれ以上の相手の損失が見込める」「何かしらデッキとの好相性が見込める」の2つが挙げられると思うのですが、ミラーとピュアリィを想定した際にどちらにも等しく打てる誘発として評価ができ、さらに展開ついでにリサイトでサーチ可能、レベル1として召喚してアーゼウスに向かう事ができる等、深淵の獣と比較しても引けを取らない評価ができ、今期のピュアリィに関しては十分採用価値がある誘発と判断しました
深淵の獣(マグナ、ドルイド)
深淵の獣内の優先度についてはほぼ結論が出切っていると思うので割愛します。先述の仮想敵のうち、ミラーマッチにおいては打てないカードとなる上、コストとして捨ててしまっても逆に相手の腐った深淵の獣の当て先となってしまうと言った危険性を孕んでいるカードではあるものの、ティアラメンツが圧倒的という客観的事実を踏まえると、誘発にゲームプランを委ねる可能性があるデッキにおいては、もちろん分布や大会形式にもよりますが、それらのリスクを凌駕するリターンを得る事が期待できるかと思います。サイド後自ら虚無魔人を解除できるカードにもなります。
バレット×3
先ほども申しましたが、特に後行において速攻魔法の枚数はそのまま手数となります。速攻魔法で速攻魔法を捨てるという行為は基本的には手数-1となってしまいます。そのため、相手の先行1tにおいて誘発を持っていない事が敗着になる対面がそこまで多くなければこのように速攻魔法のコストを担うカードを採用するという選択があります。
バレットの枠がコスト用のカードという前提として、比較対象となるカードとともに紹介します。
召喚できる或いはセットできるという評価は(モンスターであれば)デリシャスやビューティの対象にできる、自分の盤面形成後プリティーの付与効果のコストになる、といったところに起因します。
・バレット
コスト回数最大3。相手のケルベクアギトなどで墓地に置かれた場合でも使用可能。召喚できる(リンク1にしてその際の速攻魔法のコストも確保)。レベル1でアーゼウスに繋がる。クロウケルドウムドラで妨害される。被りが弱い。
・サンダードラゴン
コスト回数最大2。召喚できない。環境次第ではアドバンス召喚して超雷を添える選択肢がある。虚無魔人を解除できる。深淵の獣の打ち先になる。被りが弱い。
・スノウ
コスト回数最大3。召喚できる。スノウのみの採用であれば被りが弱い。ドロバの受けが良い。深淵の獣の打ち先になる。
・ブラウ
コスト回数2(ドロー先込み)。召喚できる。複数採用でも被りは問題なし。ドローを見れることで展開や妨害の伸びが期待できる。ドロバの受けが良い。深淵の獣の打ち先になる。
・ビースト
コスト回数2(ドロー先込み)。召喚できない。虚無魔人を解除できる。ドローを見れることで展開や妨害の伸びが期待できる。ドロバの受けが良い。深淵の獣の打ち先になる。複数採用は選択肢に入らないが、ヘッジホッグを入れることでコストを1回分伸ばせる。
・錬装融合
コスト回数2(ドロー先込み)。セットできる。ドローを見れることで展開や妨害の伸びが期待できる。ケルベクアギトで落ちても使用できる。クロウムドラケルドウで妨害される。複数採用は選択肢に入らない。おろかな副葬とのシナジーが期待できる。
それぞれに利点がある中で、現状はコスト専用の枠を設けるのであればバレットを採用するという結論となりました。単純に後手での性能が群を抜いているからという理由になります。
フレンド3枚目
こちらも選択枠とはなっているものの、バレット同様環境や分布に従いこの枠を誘発にしなくても直接的な敗北には繋がらないと判断した場合に採用候補となります。素引きすることでリリィに無効系の誘発を貰った場合に再展開に迎える他、リリィに対する誘発がなかった場合そのサーチをストリートやリィープに割くことが可能となります。
金謙×2
事故るということはほぼ考慮する必要がないデッキにはなっているのですが、ノアールの先行の成立において、手札を減らさず墓地の魔法罠の枚数が1枚増えるという点が評価でき、そういったカード達を比較するとこちらのカードがサイド後特定のカードを引き込める点を考慮した際に掘れる枚数が最も多い点が評価できます。
画像の構築においてですがコストはビューティハピネスアーゼウスダウナードアザレアムーンナイチンゲールあたりになるかと思います。
無限泡影×2
このデッキの構築で難しい部分が泡影orヴェーラーの問題になります。
・前提としてカードとしての性能は泡影に軍配があがる
・レベル1であり相手ターンで引いて打てるのがヴェーラー(サイド後裂け目とアンチシナジー)
・プランプでの素材吸収の対象になるのが泡影
スリーピィ込みのエクシーズで誘発を引き込むプランや後手でアーゼウスに向かう際に役立つのがヴェーラー、ノアール成立に寄与するのが泡影という具合になっています
実際無効系の2枠を作ろうとなった際に泡影泡影でもヴェーラーヴェーラーでも泡影ヴェーラーでも全てに納得がいきます。それこそミラーマッチにおいての重要度を加味すれば更に枠を増築していずれも3枚ずつ入れるというのも視野に入れるべきかと思います。
レベル1×2でアーゼウスに行くという後手での立ち回りのために、相手の盤面問わず戦闘を行えるという役割のカードで、対抗となるカードはキキナガシ風鳥になります。あちらは戦闘を介する際にエクシーズ素材を消耗してしまう点こそあるものの、耐性自体は優秀であるため採用を検討すべきカードではありますが、現状ナイチンゲールで概ね問題は無いかと思います。今期そういったゲームが発生するかは微妙な部分ですがETにおいても優秀です。
リサイト
DDクロウをサーチでき、先行展開時ノアールに添える形で出し妨害を増やすのが主な役割です。ノアールの耐性は相手の発動した効果限定になっているのでこちらの成功時のパンプは乗ります。後攻でもカレイドルルカロスの復活を阻止しつつアーゼウスに向かったり、クロウを抱えつつプリティメモリーのコストとして退場させたり役割は多岐に渡ります。当たり前ですがサーチ先がなければ不要な枠ですので、現状クロウが優秀なので入れているカードとなります。
下級X2枚目
ビューティは前盤面+誘発というゲームで妨害となるため優先的に出すエクシーズとなります。リリィ一枚+他全てが誘発などといった場合こちらに向かうこととなります。そうなった場合当然フレンドの回収先はプリティ一択になるのですが、その際に選択肢にビューティがない場合相手の盤面を捲る精度が格段に低下するのでここは2枚必要な枠になるかと思っています。
プランプはサイド後のカードでノアールが捲られた場合に際しての再展開時に墓地の2枚目以降のスリーピィを唯一拾えるエクシーズである他、「深淵の宣告者」での捲られた場合を踏まえると墓地のビューティメモリーを拾えるなどの点で返しの動きが柔軟になるためあって損はないと思います。相当上振れ前提の動きではありますが、そういった捲り札のケアとしてノアール+スリーピィを複数枚入れたいドロー用のプランプ(+リィープ)という盤面を形成する際にも使います。
ハピネスはこれら2枚と比べると明らかに想定される場面も頻度も落ちますが、1枚目を除去に、2枚目をフィニッシュに使うというパターンがないわけでは無い(盤面を返し切りノアールで蓋できれば大体勝っているとは思いますが状況次第で一旦アーゼウスに行く可能性も加味しています)ため、先述の通り優先度は低めですが採用しています。
ノアール2枚目
サイド後においてプランプ同様突破された想定+ケア盤面でリープまで繋がった場合に使用するというのは勿論ですが、2ターン目にライフが取りきれない場合に2体目を成立させ各種解答の受けすら失くして完封を狙うというパターンがメイン戦でも想定されます。
ダウナードアーゼウス
メインギミックに後手札としてハピネスが存在しているものの、モンスターに複数回殴れる状況でないとノアール等の次のアクションに移行できないため、或いは殴れはするものの単純に妨害数やリソースなどの都合でハピネスに行くのが得策では無い局面において使用します。
ナイチンゲールと下級Xが素材を使わず殴った場合に素材が奇数個になるためダウナードを採用しています
アザレア、ムーン
いずれもピュアリィで運用しやすい除去用のリンク2で当然差があり、それぞれ有用な場面が分かれるため採用しています。
単純に除去として考えた時、アザレアはこのデッキでは容易に達成できる墓地魔法3枚の際に一方的に相手のカードに触りつつ、戦闘時の有利トレード効果の使用も現実的です。ターゲットとなる対面においては考慮する必要はありませんが、後述するアニマと組み合わせることでセンサーの解答にもなります。一方でスキドレやエルフ先バグースカなどを想定すると、ムーンでしか解決できない状況は確実に存在します。また、継続して数ターン魔法罠を割るというのもムーン限定の芸当になります。
アニマ
アザレアに行く前に変換してセンサーの縛りをすり抜ける役割のほか、バレットを入れている場合、召喚してコストを抱えつつデリシャスハッピーの打ち先となるため動き出すことができます。
多面展開をしてくる相手に対して1面は除去できる期待がある他、現環境ではほぼ見られないものの魔法族の里の解答となるためこちらを採用していますが、デリシャスを安易に打つとそれが負け筋となる場合がある他、リンク1+ビューティという盤面のパターン、或いは1度墓地に置くことで成功時効果に対する妨害を回避できる可能性を踏まえ、リンクリボーを採用するのも検討できます。
サイドデッキになりますが、こちらはメインデッキ以上にプレイしている地域や大会の分布によって左右されるものであり、更にはご自身のプレイスタイルや考え方、更には苦手意識等と言った個性が顕著に現れる部分だと思います。あくまで僕個人の思想の現れですので、採用理由がわからないカードについてざっと読んでいただければよろしいかと思います。
ドロール×3
主に対シンクロデッキに対して1枚で得られるリターンが大きい誘発として採用しています。後手ではハピネスの存在からノアールを出せる確率も高まるため、このカードをプレイしてリソースを温存されまともに蓋できず負けといったパターンもほぼありません。リリィからフレンドをサーチする場合も多い都合上、ミラーも発動すればノアール成立率を一気に下げることが期待できます。
虚無魔人×3
分布の伸びなどでピュアリィが仮想敵として注視されるようになり、サイド後はノアール一辺倒のゲームプランが通りにくくなる可能性が出てきました。こちらのカードは「メタのメタ」というあまり積極的には入れたくない存在となってはいますが、とはいえそういったカードの選択肢の中ではかなり強い部類であるため採用しています。
このカードは召喚するだけで勝てるゲームが存在するほど拘束力を誇っていることから、メタのメタ、という点を度外視してもそれなりの強みを誇ったカードです。
視点を戻すにあたり、具体的に対ピュアリィにおけるメタカードに何が存在するかを確認しておきましょう
泡影、ヴェーラー
ドロール
クロウ
うさぎ
アトラクター
応戦
これらはいずれも手札誘発で、「後手番において初手5枚で引いた場合にノアール成立ないしはエクシーズ召喚そのものを食い止める」というアプローチのカードになります。
デッキを選ぶカードも一括りに入れてしまいましたが、主に見られるのはリリィの発動機会を奪いフレンドへのアクセスをも遮断する泡影。次いで先ほどこちらも入れるサイドカードとして採用した広く展開系を抑えることの出来るドロールになるかと思います。
壊獣、ヴォルカニッククィーンなどのリリース除去
深淵の宣告者
オーバーディレイ
6枚目以降も間に合う「成立後のノアールを除去する」カードです。
リリース除去、深淵の宣告者の両方に共通するリスクとして、スタンバイのスリーピィのドローは許してしまうという点があり、引き込まれた誘発に付き合い切れるデッキ、更には返しのターンの手数も考慮すると、その条件下で完封できるかワンキルできるデッキが搭載してきます。
壊獣に関してはステータスが多様で、例えばラディアンはティアラメンツとドロゴンに融合できるなどギミックとの好相性が期待できる反面、フレンドやストリートのリソースまで考慮しなければならず、ライフを取りきるに当たっては投げた壊獣を処理する必要があります。
半面宣告者であればシンプルに盤面を処理でき、フレンドやストリートの効果も誘発しない、更にはスリーピィのドローを使った前提で考えると三戦の号でアクセスも可能になります。ピュアリィ側が速攻魔法を一枚温存していると、それでデッキからリリィを出された場合に躱されます。
オーバーディレイはターゲットが完全にほぼピュアリィ限定になってはしまうものの、ドローフェイズに発動できることからスリーピィのドローすら許さず、チェーンも出来ないためメタカードとしては一級品です。
ということでメタのメタという話をする場合は主にこれらのカードを想定することになります。
主に2系統に分類出来るメタカード達に対する虚無魔人がどの様に評価できるか見ていきます。
誘発に関してはいずれも場にモンスターを送り出すこと自体は可能であるため、虚無魔人を引けている場合は実質的に誘発を貫通した盤面形成が出来ている、という結果となります。泡影に関してはリリィでチェックが概ねできるものの、重ね引きなどの場合では虚無魔人を無効にすることが出来ます。
解答札だと壊獣は出せない、ディレイは虚無単騎の盤面に対してはプレイが出来ない恰好となります。宣告者はノアールも虚無も両方に対応できるカードとなるので三戦の号のケアは検討する必要があるかと思います。
後述する裂け目もこういったメタのメタと分類できるカードになります。
羽コズミック
少なくとも仮想敵に対しては羽は大して活躍が見込めませんが、若干Tierから外れた対面に対して打つだけでゲームを決定できるカードとして評価できます。
コズミックに関してはゲームプランに関していうと誘発に寄せている場合であればティアラやミラーでも後手札として検討できます。
裂け目
ティアラや各種展開系に対して先行札としての役割は勿論、ピュアリィがメタられる側になった今であればディレイなどの捲り札を貰ってもなお強い効力を発揮できるカードになります。自分に対する被害は極めて少ないため相手に対して強い要求をできる一方、当然ながらミラーでもほぼ意味がないカードとなってしまいます。
冥王結界波
ティアラメンツと展開系をターゲットにした後手札です。誘発を多数搭載している関係上「冥王を撃つまでもない」という場面に後攻で出くわすかもしれませんが、捨てれる魔法罠という最低補償があるので-1枚がそこまで重くなることは無いかと思われます。
冥王を打った返しに盤面を処理しきれない、ということもハピネスの存在とアーゼウス成立の敷居の低さを考えれば考慮しなくていいと思います
と言った感じでこちらが上位2、3デッキをターゲットに絞った構築となります
2つ目の構築例はこちらとなります
こちらは冒頭でツイート及び記事を引用させていただいたしらっくすさん(しらっくす (@shiraxv2) / Twitter)よりお借りしています
根幹は当然同じアーキタイプなので変わりませんが、細部の相違点について掻い摘んで取り上げさせていただきます
ムドラケルドウ
これを入れるだけでティアラ視点だとケルベクアギトで相手のデッキを落とす行為に裏目が生まれます。速攻魔法のコストとして墓地に置き、自分のデッキの中身を回復する、ミラーで相手の速攻魔法にチェーンを挟む等小回りが効くカードで、ティアラはもちろんミラーや展開系の墓地利用も想定されることからメインからの採用も見込めます
ストリート2枚目
フィールド魔法なので被った場合は特に何も起きませんが、再三言っている通りこのデッキにおいては捨てれる魔法罠という先行での評価ができます。トップデッキのケルベク採用や泡影の流行により素引きが効力を発揮する環境であれば、シンプルな素引きはもちろん、ピュアリィの捲りによるヒット率を上げるという意味でも複数採用の余地があるカードです
三戦の才
後述する三戦の号の選択肢となるカードで、現環境であれば後攻時は発動できないということはまずない、先行は発動機会が無くともコストになる魔法、ということでメインでの採用も検討できます。ピュアリィでは特にドローの価値が、速攻魔法が全て手数になるため非常に高いものになっています。
三戦の号
こちらも才同様後攻時は概ねフルバリューで打てると想定してしまっていいので、才の2枚目以降よりかは選択肢が発生する分で差があります。
冥王メイン
先ほど言った通り冥王とハピネスの相性が良いため、メインから入る後手札としては優先度が高いカードとなります
マスカレーナウーサ
サイド後にノアール+マスカレーナという盤面でターンを渡した際に、ノアールをディレイでリリィとプランプに分裂させられた場合にそれらと3ウーサになるのが主な使い道となります。
先述の通りディレイを受けた場合はフレンドストリートのリソースが確約されており、そのターン中に負けに繋がる展開さえ阻止すれば2ターン目から再び展開し返すという勝ちパターンは大いに見込めます。
このように環境の変化に合わせて構築を自由自在に適応させていける部分もデッキ選択における利点となります
視点をYUDTのシングル戦にすると、現状ピュアリィは中々良いデッキ選択では無いかと個人的に思っています
比較対象に上がるのはまずティアラメンツだと思うのですが、マッチ戦だと確率的に考慮から外して問題ないであろう下振れや、やはり仮想敵としてトップになってしまうところでマッチ戦よりかは評価が落ちると思います
一方でピュアリィに関していうと、先ほどのメイン結界波を始めとする尖ったカードの採用の余地が選択肢として存在する点や誘発のスロットを考えると雑多な対面への対応力は群を抜いています。
また、ノアール成立後の解答はほぼサイド後のカードに依存している現状から先行が取れれば勝利条件は緩いものになるかと思います。
ピュアリィのシェアの伸び方からするとメタ対象のデッキにはなるかと思いますが、成立後の解答がいずれもティアラメンツなどに対してはそこまで効力を発揮しない点を加味すると、どちらかと言えば誘発で展開そのものを抑えてくる傾向なると予想できます。
こちらとしては選択肢として
・冥王、羽根箒、三戦による後手捲りとノアール成立の両立
・次元の裂け目採用によるリスクとなる誘発の削減
・誘発の多数採用による先後の逆転による勝利とノアール非成立時のサブプラン移行(具体的にはスリーピィを複数素材に入れたエクシーズで誘発を引き込む展開)
といったプランが存在します。枠的に全てを採用するとデッキが膨らんでしまうものの、2つ程度であれば現実的です。
いずれも本記事内に引用させていただいた構築や記載した構築例をシングル戦に向け細部を弄れば問題なく運用できるかと思います。
3.実戦について
先後問わず共通した明確な目標として「ノアールの成立」があげられます。つまりは下級Xの5素材達成をとりあえず目指すのが広い場面で言えるおおよそのゲームプランになります。
先行であればデリシャスにアクセスすることでプランプから墓地の魔法罠を素材にするのが最も効率的な5素材達成の手段となります。
「盤面リリィ+墓地にデリシャス含む魔法罠3枚+手札にプランプの素材に入れる速攻魔法1枚」
これが先行に限っては最も容易な5素材達成の条件かと思います。
動画は一例になりますが、
後攻でも勿論同じ方法でノアールを成立させることが可能ですが、このパターンに加え、相手の盤面次第でハピネスから盤面を返しつつノアールで蓋をするという選択肢が生まれます。デリシャスやハピネスの打つ条件が先行より緩いことを踏まえると、ノアールの成立自体は後攻の方が簡単になります。
「こちらの誘発や後手札と合わせて先行展開にリソースを投資した相手にノアールを押し付ける」実際問題これが通らない、あるいはこれ自体がベストでは無い状況も大いにあり得るため、後攻では下記2つの選択肢も発生します
・アーゼウスで一旦の盤面解決
・ハピネスによるOTK
アーゼウスは先程も言いましたがこのデッキではエクシーズの成立条件が緩いことから積極的に狙いに行けます。ルルカロスやカレイドハートといった本来アーゼウスの処理に耐性があるカードも、リサイトクロウの採用があれば墓地除外を確約させつつの返しが可能となっています。
ハピネスは大量の素材供給が可能であり一見ノアールで蓋をしたくなりますが、ハッピーメモリーによる複数回攻撃+ハピネス自身のハッピーメモリーの追加と打点半減これらを組み合わせることでライフを奪い切ることが出来る場合があります。ハッピーメモリーの攻撃回数増加はモンスターへ殴る場合限定ですが、デリシャスメモリーの付与効果で相手の攻撃表示モンスターに戦闘耐性を付与し、それに対して攻撃と半減を繰り返し行うことで8000を取り切ることが出来ます。
適当なフリーチェーンのカードでハッピーメモリーの素材追加を阻害されるほか、プリティーのライフ回復などによっても選択肢から外れるプランではあるものの、相手の盤面次第では検討の価値はあるかと思います。
話を先行に戻します。ここで考慮しなければならないのがノアールが出ないパターン。考えられるのは「速攻魔法が足らない」「ピュアリィで速攻魔法を引ければ5素材」で外れた場合です。
先ほども言いましたが、僕は「ピュアリィX+フレンド」と構えれば一応ゲームにはなると考えています。そのため以下のパターンを選択、可能であれば複数個を実施します。いずれもフレンドは構えてあるのを前提とします。
・ビューティによる妨害
・スリーピィを入れたXにより誘発や後続の確保
・リィープによる時限付きノアールを用意
これらでゲームを引き延ばせば先程の後攻のパターン、言い換えるとバトルフェイズがある場合でのノアール成立パターンやキルに繋げることが可能になります
試合の流れとしては上記のいずれかに分類できるかと思います。
以上を踏まえて細かいプレイなどについても記載します。
各種誘発についての検討
当たり前の話ではありますが念のため
ドロール、ヴェーラーを余計に喰らうのを避けるため例えば先行1tでスリーピィ、プリティをドローフェイズに打つことを検討する必要があります。
ドロールに関していうとあくまでリリィが通った場合ですが、ピュアリィX+フレンドまでであれば達成が見込める状況になります。
クロウやリリィへの無効系を想定した場合にやや要求値は高いもののピュアリィの効果で手札とXする選択肢を残しておくと受けが改善されます。これに関して最悪の場合リリィを送り出す速攻魔法とコスト、ピュアリィを送り出す速攻魔法とコスト、ピュアリィとエクシーズするカードの最大5枚を要求されるほか、フレンドの素引き等がないとリソースゲームへの移行も厳しいため、ある程度の余裕がある場合に意識して貰えれば十分かと思います。
総じて、ドロール応戦アトラクターと言ったアドバンテージ<テンポといった形の誘発を除いて、手札にどれだけ行動回数(具体的には速攻魔法の枚数)を抱えられているかに誘発貫通を大きく依存します。
ティアラメンツ対面に関しては、ハゥフニス、ティアラメンツクシャトリラ、ケルベクといった稀有な誘発というかメインギミックによるこちらの先行展開中での妨害行動が予想されます。
いずれもクルヌギアスになるリンク1としての仕事もあるし、ケルベクに関してはバグースカになります。いずれにせよ相手の勝ち筋「ノアールの除去」「ノアールを無視したケルベクアギトによるライブラリアウト」に貢献する可能性が高いので、可能であれば相手のターンまで生存はさせたくないところです。
ティアラメンツ対面ではノアールの成立時にサブミッションとしてプリティメモリーを素材に入れることを意識します。コストは必要になりますが、割と早い段階でハゥフニスクシャトリラが或いはそこから融合モンスターが登場すれば、それらがプリティの付与効果で素材1枚分としてこちらのノアール成立に寄与する可能性も考えられます。
ケルベクに関しては若干話が異なり、もちろん出された場合吸収はしたいのですが、そもそも綺麗に出させないといった形のケアも求められる場合があります。ケルベク(一応アギトもですが)の特殊召喚条件に速攻魔法の追加効果が全て引っかかってしまうため、いくつか意識する要素があります
1.フレンド(+デリシャス)へのアクセス
2.上記事項を満たした場合ストリートによる耐性付与
3.(直撃が敗着に繋がる場合に限り)X成立後に追加効果を使わない
1について。基本的にケルベクによるバウンスをXに貰う場合が最も損失が大きいのですが、フレンドがある場合話が違ってきます。
リリィ使用後でもフレンドの回収効果があればピュアリィの効果で再びプランプに向かい、再度ノアールを目指すことが可能になります。そのためケルベクをもらうにあたり意識したいのが、「プリティーを含む速攻魔法を種類を散らしてアクセスする」というもの。ティアラメンツ対面においては別の状況でもプリティーを手元に置いておくことに意味があるのでスリーピィを複数入れてドローを見るより優先してしまって問題ないと思います。
2は説明不要かと思いますがケルベクの発動を遮断します。
1、2はある程度余裕がある場合の話で、3が検討する機会としては多いのでは無いかと思います。フレンドの回収を加味してもケルベクの貫通が見込めない場合に限り、エクシーズ成立後に素材増強に用いる速攻魔法の追加効果を使用しない、という分岐が発生します。展開としてはもちろんノアール+リサイトが妨害数的にもノアールにバフが乗るのを考えても強いのですが、そもそもノアールが成立しなければ本末転倒なのでケルベクの受けを思考の材料に入れておく必要はあると考えています。
捲り札の考慮
続いてサイド後の各種捲り札に対する立ち回りになります。
マスカレーナウーサ、虚無魔人を除いた話をします。
先程も言った壊獣達は群雄割拠や生贄封じなどで一応予防はできますが、環境的に強くない永続をこれらのためだけに入れるのは得策ではありません。
スリーピィのドローやフレンドのリソース自体は貰えますので、それらを頼りにしたゲーム、具体的には誘発などでそのターンを耐え切るというのがリアルになると思います。
幸い、壊獣は現状ノアールの解答としての採用はそこまで多く見られておりません。基本的には以下のカードについて考えておけば一定の勝率は担保されるかと思います。
1.ディレイ
このカードの欠点はなんと言ってもマスカレーナの時にも述べたように「素材の中身を出す」という点。
実際問題モンスターが横に2匹並んだだけで苦戦を強いられるようなデッキは環境から淘汰されるのでそれだけでは特に嬉しくはないのですが、「プランプが出る」という点が肝要になってきます。
展開に必要以上に速攻魔法を使用せず、伏せに温存することにより、プランプのエンドフェイズまで除外、というやや心許ないものの妨害が残ります。また、デリシャスメモリーに関してはプランプ固有効果の素材吸収が相手ターンで使用できるようになるため、墓地にスリーピィメモリーがあればスタンバイにそれらを素材にしドローに繋げることができます。
ディレイに関してはノアールは完全に処理されてしまうものの、フレンドなどのリソースは貰えるため、それを頼りに貰ったターンを凌ぐことを考えた進行に切り替えます。
2.深淵の宣告者
現在捲り札では筆頭になるかと思います。
利点は多数ありますが、「三戦の号からのアクセス」「虚無魔人の処理」「プレイヤー付与による除去」の3つが主にこのカードの評価を底上げしている要因でしょう。また、スリーピィもスタンバイのドローは許されるものの、現在のピュアリィの構築が誘発→後手札になる傾向があり、ドロー自体はそこまで問題ではないのもこのカードの流行を後押ししています。
直撃した場合リソースの回収すらさせて貰えないという点で重くなるカードですが、このカードもディレイのように速攻魔法+手札コストの温存によって受けを改善できます。
このカードでノアールを倒しに来た際に、それにチェーンする形でデッキから同じく闇・天使のリリィを繰り出すことでそちらで墓地に送りを回避できます。
まとめると、メイン戦に関してはノアールの解答がクルヌギアス程度に絞られる→ノアールのバウンスを相手のリンク数を奪う妨害として用いるというのを考慮して速攻魔法を素材に余分に入れ7素材を目指すてしまってもいいのですが、サイド後はこれらのカードが散見されるため、ノアールに全投資する展開は一考する必要があるかと思います。
4.最後に
以上になります。
質問などございましたら早 (@mikanayuip) / TwitterのDMやリプライ、もしくは
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長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。